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羊たちの沈黙のnagarebosiのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.2
この作品以降からだろうか、サイコ・サスペンス映画がにわかに活気付いてきたのは。そして、プロファイリングという言葉もメジャーになりました。
そんな現象を生んだのが本作。
実に怖く、恐ろしく、そして儚いラブストーリー。そう、改めて見直すと実は叶わないラブストーリーの要素も含まれた女性映画でもあるということに最近、気づきました。
初めての面会から、あの場所での告白の場面まで、これほど叶わないし叶うと危険、けれども何故か惹かれあう、立場も全く違う二人の男女の愛、あの指が触れ合うシーンは他の恋愛映画よりも強烈で切なかったです。
オープニングのエレベーターでジョディ・フォスターだけが女性、しかも小柄で周りは全員背の高い男性という本作を象徴するかのようなショットも上手く、大変に感心しました。
無論、謎解きやサスペンスとのバランスも程よく、クライマックスシーンでの編集のタイミングや呼吸音、地下通路の反響音等の音響効果もよく設計されていて見事でした。
同ジャンルでは「セブン」のほうが好みですが、これも良い!