GON

羊たちの沈黙のGONのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.5
ジョナサン・デミ監督の神業とも言える”恐怖と緊張感の魅せ方”の上手さに終始惹かれまくり、レクター博士の異常さに衝撃を受けた至高の一作・・・
序盤にレクターがどれだけ異常かを説明し、それを忘れかけてた後半にその本領をいかんなく発揮するという完璧すぎる流れ、死体のリアルさ、そして何より文句の付け所の無い、完璧とも呼べるストーリー。
クライマックスではクラリスが単身でバッファロー・ビルの家に突入することでより強い緊張感を生み出していた。そしてさらに暗闇の空間の中に敢えて陽気な音楽を爆音で流したり、犬の鳴き声を入れたりすることで見る者の注意意識を混乱させ、恐怖感、緊張感を増幅させる演出は見事としか言いようがなかった。

ただ、個人的に非常に残念に思った事はクラリス役を演じたジョディ・フォスターの演技が壊滅的に酷かったこと。誰かと会話する時、常に口角が上がっているのが気になってしょうが無かった。
そしてクライマックスでバッファロー・ビルに銃を突きつけた時の演技は失礼ながら素人が演じてるようにしか見えなかった。「クラリスがFBIアカデミーの実習生だから未熟だということをアピールしたかったんだろう」と言われても、いくらなんでも下手すぎでしょう・・・😓

あとこの作品を鑑賞する前は全然納得できてなかった「『ターミネーター2』アカデミー賞作品賞受賞できなかった問題」も一応は納得できた(それでもノミネートすらされなかったのは流石に許せないが)。
好きなのはT2なんだけど、作品そのものの出来としては(認めたくないものの)コチラに軍杯が上がる。それくらいこの作品の脚本は秀逸だった。

ストーリー、演出が映画史上最高クラスの出来だっただけにヒロインの演技があまりに惜しすぎた。もうちょっと演技しっかりしてれば確実にオールタイム・ベスト10に入れてたのに!
GON

GON