Robert

おとなのけんかのRobertのレビュー・感想・評価

おとなのけんか(2011年製作の映画)
4.8
中古DVDを安く手に入れることができました。邦題の響きの印象がよくなかったですが、ロマン・ポランスキー作品で気になってました。原題 Carnage

原作はフランスの演劇作品。出演者はアメリカ人ですが、製作はアメリカでもないところが一味違ってます。ニューヨークのアパートメントの一室だけで展開されるユニークな映画で舞台演劇を映像化した感じでした。

2組の夫婦がそれぞれの子供に起きたケガまで負った喧嘩について和解をしようと対面します。初めての顔あわせなのであいさつ程度済まそうとするのですが、会話の端々からうかがわれる無礼な応答や、あるまじきふるまいなどにそろぞれが指摘し始めます。そして、とうとう自身の立場やら哲学を盾におのおのに口論をしていきます。家族VS家族の構図、男性VS女性の構図がヒステリックに展開します。

仕事を優先する夫、家父長制を敷く夫、文化人を貫く妻、体裁に縛られる妻の4人が、おのおのの鼻につくところを皮肉る例えやらが面白いです。ジュディ・フォスターが青筋たてて主張するシーン、ケイト・ウィンスレットが体裁を保てなくなり粗相をしたり酒乱になったり。ライバル作品はAugust:Osawa Countyではないでしょうか。見ごたえのある約79分、エンドロールもなかなかユニークなコメディでした。シリーズ作品になったらなぁ、と期待。
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