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ひみつの花園のmihoのレビュー・感想・評価

ひみつの花園(1997年製作の映画)
4.7
国立映画アーカイブの特集上映
1990年代日本映画――躍動する個の時代
にて。

笑えた。
ウォーターボーイズが大好きで、その矢口史靖監督ということで鑑賞。
序盤からテンポ良しキャストのとぼけた演技良し撮り方良しで、コメディ映画と言われてもあまり笑えない私でも、数分に一度声出して笑った。
主人公のOL咲子はとにかく子供の頃からお金が大好き。趣味はお金を数えること、ということで銀行に就職するも、他人のお金を数えていても退屈なだけ、いっそ銀行強盗でも入ってくれないかな〜なんて思っていたらそれが現実になり、人質にとられ、そのまま誘拐されてしまう。
誘拐の道中の山の中での事故で、犯人たちの車は爆発。咲子と5億円入りスーツケースだけは爆発前に車から放出され、そのまま川に流されて無事に助かる。スーツケースは水の底に沈んでいく(川に流されていくシーン、大爆笑でした。)

爆発によって5億円は灰になったものと報道されていたが、スーツケースがじつは燃えていないことと、およその在処を知っているのは自分だけ、探しにいかなくちゃ、ということで、
行方不明になっている5億円を探すために大学での地質学の研究やスキューバダイビングやロッククライミングを極め始め、危険な樹海を探索。

お金のためならどんなことでも頑張れるんだけど、じつはお金が大好きというよりもその目標に向かって頑張る過程が好きなんじゃないかなぁと思った。
目標のためにここまで真っ直ぐがむしゃらに突き進んでその道を極めちゃう姿は、とても羨ましくもあり。楽だから、という理由で教授の助手をしながら惰性でゆる〜く生きていた江戸川さんが、そんな咲子のことを気になって仕方がない!という気持ちもすごく分かった。恋愛というのとも違う感じ、憧れのような。

名脇役というイメージだった西田尚美さんの主演作を初めて観たのですが、お金大好きな女、という普通なら嫌味な役なのに爽やかで可愛くて、コメディもこんなふうに演じられるんだなあと、好きになってしまった。シリアスよりもコメディの方が演じるのは難しいと思うので。

気楽に観られて元気が出るから、落ち込んだ時にまた観たいな。
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