ホラー作れたらホラーの裏返しも作れるって話。観客に恐怖を喚起させる構造を全部逆にしてくと自然と優しい気持ちに出来るよねみたいな。
西島秀俊が死んでたら幽霊になって「恨めしや」と皆の前に現れて過去の落とし前を着けさせる。ここでは逆に彼は生きているから逆に許していくために皆の前に現れる。
構造の中で向いてる矢印が全部逆だから、普通のホラーでは生きてる人間が幽霊に対して「もう過去の話は良いじゃないか」と言う訳だが、ここではそれを言うのが死んだと思われていた西島秀俊の側っていう。
つまりこの構造を可能にしているただ一つ彼が生きているって事がこの話の肝で、だから最後の「お前は確かに存在した」という役所工事のセリフがクライマックスの高まりになる。
担架が走るファーストショットと次のショットで10年飛んでるというスピード感で始まるのも良いですね!