Ran

踊るニュウ・ヨークのRanのレビュー・感想・評価

踊るニュウ・ヨーク(1940年製作の映画)
4.5
ボックスを買ってから年代順に観てきたけど、どうしても本作を早く観たくて先に観てしまった。
アステアは色々な役柄を演じてきているけど、このときの役柄が今のところ一番好き。控えめで努力家で友人想い、だからこそ応援するし叱ったりもする。
クレアを想って一人ピアノを弾きながらタップダンスを始めるシーン、クレアのパクトパフ?をボールのように操りながら舞台をなめるように駆け回り、段差や椅子を軽やかに使い、複雑で軽快なステップを踏みながらも上体は驚くほど自由で優雅。まるで無重力。クレアが見ていたことに気づきそっと楽譜を隠す仕草がまた可愛い。
カフェでクレアと踊り出すシーンも良い、マスターが気を利かせて音楽をかけてくれてから始まるのが素敵。アステアも素晴らしいけど、今作で初めて見たエレノアのダンスも目を見張るものがあった。どれだけ練習したらヒールであんな正確に軽やかなステップが踏めるんだろう。
そして何と言ってもラストの星空の中でのダンス、ララランドでもオマージュされている名シーン!鏡面のような床が天井の無数のライトを反射し、2人はまるで星空の中にいるかのように、真っ白の衣装で踊り出す。カフェでのダンスもそうだけど、エレノアとアステアのタップが盛り上がりを見せると、2人がもう楽しくて仕方がないと言うように自然に笑顔になっていく様子が美しくて、きっと常人には想像もできないくらいの努力を重ねて得たであろうダンス技術が拮抗して火花が散るよう。もっと共演作観たかった。
踊ったら一流だけど劇場でシルクハットを取り違えちゃったり、置物の台座に激突するくだりの三段落ち、ちょっとドジなシーンも愛らしいアステア。細かく言い出したらキリないなー。
一番好きなミュージカル映画は?と聞かれたら間違いなく本作を答えると思う。
邦題なんで踊るニューヨークなの?ブロードウェーメロディーのままでいいのに!
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