ロミオ

メーヌ・オセアンのロミオのレビュー・感想・評価

メーヌ・オセアン(1985年製作の映画)
5.0
なんて凄まじい多幸感、そして愉快な話なのか。
物語を振り返ると実に奇天烈な話で笑える。
弁護士、ダンサー、船乗り、国鉄職員、興行主……全く性質の異なる男女らが奏でる週末のジャムセッション、極上の悲喜劇だ。
青春の煌めきに満ち溢れたオルエットから約15年後に製作された作品だが、人間ドラマの愉しさとロケーション選択の抜群すぎるセンス、そして作品全体に漂う瑞々しさはそのままに無邪気な大人達のロードムービーに仕上がっている。
ラストの心温まる哀愁も本当に素晴らしい……大好きな作品だ。
俺はサンバの王様……。
異色な登場人物たちが繰り広げる愛おしくも頓珍漢な騒動と旅で、ロジエの中で最も愛する作品だ。

「King of Sanba」のセッションへ至るまで…多言語が入り乱れることによる混乱感はこの作品の重要な構成要素なのだが、評論家より指摘がある通り日本語字幕だとこれらがかなり軽減されてしまっている点は留意されたい。
多言語コミュニケーションの不可能性とそれをいとも簡単にぶち壊す共通言語としての音楽…本当に素晴らしい演出だと思う。
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