だいき

アニー・ホールのだいきのレビュー・感想・評価

アニー・ホール(1977年製作の映画)
4.0
恋愛とはサメのようなものだ。常に前進していないと死んでしまう。

1978年アカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞受賞作品。
本作はウディ・アレン監督の自伝的恋愛映画だ。
実生活でもカップルだったウディ・アレンとダイアン・キートンが主演を務め、アレンが大好きだったベルイマンやフェリーニからの影響が顕著。
長い会話や長回し、主人公が観客に向かって話しかける第四の壁、スプリットスクリーンで2つのシーンを見せる、心の声が字幕になる、アニメの世界に飛び込むといった斬新で特徴的な演出は後世の映画に大きな影響を与えた。

非理性的で不合理な男と女の関係。
相手を応援したい気持ちがある一方で、それが裏目に出てしまうこともある。
相手のプラスになることが自分にとってプラスとは限らない。
また、共有してほしい、理解してほしい一心で自己流を押し付けてしまうのも行き過ぎると相手には面倒臭いと思われる。
干渉のプラマイは、お互いの絶妙な匙加減が必要なのである。

毎年、必ず1本は新作を発表しているという御年83歳、ラブ・コメディの巨匠ウディ・アレン。
現在、ハリウッドを震撼させているハラスメント問題でアレン自身も告発されている側の一人であり、来年公開予定の作品が公開未定になりこのまま引退してしまうのではないかと危惧しているが、やはりアレン映画は映画好きにとっては年一回の風物詩みたいなところもあるため、作品作りを是非進めていただきたいと思う。
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