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ガメラ2 レギオン襲来のふぁぶのレビュー・感想・評価

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)
5.0
何故今までこの作品のレビューを書いていなかったのか謎。
それくらいお気に入りの作品です。

3部作での2作目に当たる今作は、1作目よりシリアスとリアリティを深め、特撮ファンならずとも楽しめる見事なエンタテインメントに昇華されている。

ストーリー展開も、導入部のワクワク感、衝撃的なレギオン初登場パート、レギオンの生態を解明していく謎解き感、ガメラの登場、敗北、復活、ガメラと人間の共闘、そして渡良瀬と穂波のかすかな恋模様など、すべてが詰まっているといっても過言ではない。

役者さんの演技もとても素晴らしく、お気に入りは吹越満がビルの外面を伝って落ちてくるガメラの血に驚くところ、ガメラの援護命令が下された時の渡辺裕之の微笑、藤谷文子の「ガメラはレギオンを許さないから」の表情などなど、こちらも上げればキリがない。

特撮パートも本当に素晴らしく、細かな描写でファンの心をグッと掴んでくる。
ガメラのデザインは1作目より頭部が小さく精悍な顔立ちになっているが、ふとした時に出る可愛さはまだ残っていて、劇中の子供達とともに応援したくなる。笑
それでいて、やはりカッコ良さは磨かれており、最終決戦に現れた時の飛行→着陸→横滑りしながらの火球3連弾は、もはや伝説。
そして、3作目への伏線も見事に張られており、地球を守るための手段や、人間への感情などの葛藤も表現されている。

反対にレギオンは感情的な部分は削ぎ落とされており、繁殖という任務を遂行するために特化したまさにソルジャーのようなストイックさで、物語のわかりやすさに一役勝っている。

本当にバランス良く作られていて、のちの特撮作品(特にクウガ以降の仮面ライダーや、シン・ゴジラ)の礎を築いたのではないかと個人的には思っている。
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