オーウェン

さよならコロンバスのオーウェンのレビュー・感想・評価

さよならコロンバス(1969年製作の映画)
4.0
この映画「さよならコロンバス」は、フィリップ・ロスの小説が原作のラリー・ピアース監督の青春映画の佳作だ。

ニューヨークで図書館に務める青年ニール(リチャード・ベンジャミン)が、ブレンダ(アリ・マッグロー)と知り合う。
二人はデートを重ねるが、裕福なユダヤ人の両親に育てられ、我儘に育ったブレンダと、ナイーヴなニールとの間には、次第にズレが生じてくる。

夏が終わり、ブレンダはボストンの大学へ戻って行った。
そして秋、久し振りに再会した二人だったが、知的で自由に振る舞っているように見えた彼女が、実は模範的なユダヤ人女性にならなければならないという、潜在意識を持っていることを知って失望した彼は、荷物をまとめて別れていくのだった-------。

当時の青年男女の生態を、階級の違いと、典型的なユダヤ人一家を通して、ほろ苦い、軽喜劇タッチで描いていて、セックスに関する露骨なセリフも出てくるが、ヒロインのユダヤ人女性としての在り方を捉える視点が、実に興味深い。

「ある愛の詩」でブレークする前のアリ・マッグローが好演していて、後に監督へ転身するリチャード・ベンジャミンのキャラクターも新鮮だ。
そして、アソシエーションの歌う主題歌も、いつまでも心に残る。
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