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鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星のinoueのレビュー・感想・評価

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2021.08.15

10年振りに劇場のスクリーンで観る体験にはとても感慨深いものがあった。改めてエンドロールを見ていると、自分のアニメ作画の嗜好はこの映画で決定づけられたんじゃないかと思うくらい、今でも好きなクリエイターばかりが名を連ねていてびっくりする。どこかジブリみも感じる丸みを帯びた小西賢一のキャラデと押山清高の作画の親和性がとても高く、そこに田中宏紀や亀田祥倫などの暴れ馬な作画が乗っかった時の相乗効果が半端ない。あとアクションに目が行きがちだけど、賢者の石を手にしたジュリアの表情・髪の動きが個人的にめちゃくちゃ好き。

ストーリーも、本編で触れられなかった「アメストリス西部」を舞台に隣国クレタとの国境争い・賢者の石から派生した神話と少数民族・2つの国とレジスタンスによる三つ巴の戦い等が描かれ、原作の時系列の穴を埋めかつ世界観を拡張することに成功していて、原作モノのスピンオフ映画として優秀すぎる作り。ビバップの「天国の扉」と同じく「長いシリーズの中の1エピソード」というスタンスなのも好感度高い。

端的に言えば、最高。
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