朝子

バッド・エデュケーションの朝子のレビュー・感想・評価

バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)
4.2
痺れるオープニングの期待値の高さからの
サハラの舞台衣装の目を見張るゲイ度、
いやホモ度に顎は軽くハズレる。
監督エンリケの仕事部屋の色彩豊かな享楽主義。
撮る映画はこちらの望むアルモドバルの残酷で美しい作品。

しかし、その外側は?
半自叙伝と言う通り、
現実は醜悪で欲望丸出しの因果応報。
イグナシオからのフアンからのアンヘル。
意味は天使。呼ばないエンリケ。
それでも、初恋の残像に、続く肉欲。
神父や美少年のなれの果ての欲望も足されて、
溺れそうになりつつ、息を潜めて魅入る。
ある意味清々しいまでの我欲は、
生きる希望になるまでに。

呆気ない終焉だが、続く日常が示される。
そして、呆気なく、私も感動する。
撮り続けた=生き続ける。情熱と共に。
passionの語源は苦しみ。
朝子

朝子