Ryohei

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳のRyoheiのレビュー・感想・評価

4.5
6年前に娘を殺害されてしまった男が、その復讐のために犯人を拘束し拷問を与えた上で殺害を試みるも、そのために使用した銃が発端となり裏社会にのめり込むようになっていく。

復讐することが娘への弔いに対する手段ではなく自身の人生の目的になってしまった主人公。そのような者の末路が虚無であることは避けることのできない結果であり、ある意味それは失いやすいもの・ことを生きる目的にするのは危険だということを表現しているようにも思えた。

Vシネというジャンルをちゃんと鑑賞するというのは初めての経験で、正直無垢な大人たちによる無垢で過激な社会だとしか思えなかったのだけれど、その社会を成り立たせてしまっているのが我々が属するもっと広義的な意味での社会だと考えると、なぜ登場人物が人を殺してまでお金を手に入れなければならなかったとか、たとえ虚構ながらも色々と想像を巡らすことができて面白かった。
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