たけしゃん

コンタクトのたけしゃんのレビュー・感想・評価

コンタクト(1997年製作の映画)
5.0
久しぶりに観直しての感想。
やはり良い。宇宙への探究心、アメリカの宗教観、SF的描写、飽きさせないストーリー展開、ジョディフォスターはじめ見事なキャスティング…まさに非の打ち所がない。
私が一番興味深かったのが、信仰心(キリスト教)についてである。
やっぱりアメリカ人も宗教と現実世界とは一線を引いているんだという描写と、それでも信仰心が高いということがステータスであることを認めていて、且つそれが矛盾してることををちゃんと描いているところである。
日本人の宗教観は複雑。それは日本の権力の交代ごと推される宗教が変わる歴史に依るところなので良し悪しではない。私もほぼ無宗教と言っていい(初詣に神社に行き、クリスマスを祝い、葬式は仏教を想定)、それだけに主人公の心情がすごく入ってくる。この映画はアメリカ人と日本人が観る印象とはずいぶん違うのだろう、よくぞキリスト教とアメリカの暗部を描いた思うのだ。
メンタリティのあり方、心の強さ・拠り所は自身の内なるところにあり、それを外に求めるのは楽ではあるが思考停止だと思う。自分と向き合うのはしんどいが、他力本願では何も解決しない。
本作は信念を貫くと成功する「サクセスストーリー」なんかじゃない。自分の思うところを信じることが人を強くする根源であること、それには大きなパワーが必要で失うもの得るものがあり、それを素晴らしいと思えるようになる映画でした。
ジョディフォスターの聡明さと可愛らしさ、マシューマコノヒーのヤサ男感からの包容感、ジェームズウッズの疑り深さ、トムスケリットの狡猾さ、どれをとってもいい演技。
宇宙人の存在による民衆のお祭り騒ぎ、「マシーン」のリアリティ、ヴェガからの音響、すごく「それっぽく」描かれていて世界観に引き込まれた。
再視聴で再確認カールセーガンが原作だったのですね…。
「コスモス」テレビで観てました、覚えてないけど(涙)