ミニ

ヴェニスの商人のミニのネタバレレビュー・内容・結末

ヴェニスの商人(2004年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

シャイロックに感情移入して見ると、こんなに後味の悪い映画はありません。
利息代わりに人肉を要求する非道な金貸し・シャイロックというイメージがある人も多いと思うけど、実際は違う。
ユダヤ人というだけで唾を吐きかけられ、決まった地区(ゲットー)にしか住まわせてもらえず、職にもつかせてもらえない。金貸しというのはユダヤ人に唯一許された職業なんだけど、キリスト教の教義には反しているために蔑まれている。
おまけに愛する娘は家出してキリスト教の男の元に走るわ、裁判を起こしても妙な屁理屈をつけられて財産は取られるわで、正直涙なしでは見られません。しかもキリスト教に改宗しろだと…!
財産・家族・信仰、そして友人すら(キリスト教に改宗した彼を許す仲間はいないだろうし、元ユダヤの彼と親密な関係を築くキリスト教徒もいないだろう)失ったシャイロックの今後を思うと、胸が押しつぶされそうです。
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