ミシナ

ヴェニスの商人のミシナのレビュー・感想・評価

ヴェニスの商人(2004年製作の映画)
4.0
前知識あんまり無いまま鑑賞したのですが……理不尽〜自業自得じゃね〜????納得いかね〜〜〜〜って思ってしまいwiki読んでいろいろ考えさせられました。

「慈悲の心を見せろ」などとシャイロックに迫るポーシャですが…誰にも優しくされてこなかった〝ユダヤ人〟である彼がどうして迫害してきた異教徒に慈悲をかけられるのでしょうか。そして彼の訴えを翻し財産を没収し挙句に無理やり改宗。キリスト教徒の悪い面が物凄く出てると思いました。確かにイエスは慈悲や許しを説いてはいますが、誰も罪ある者を迫害し唾を吐きかけろなどと説いてないしそれこそキリスト教の本質たる「愛」から大きくかけ離れています。
確かに彼は少しやりすぎではあるけれど…それでもこんな事態になってもこの場にいる誰も、今までユダヤ人を迫害してきたという行いを恥じもしない事がビックリです。

優しさや慈悲というのはされた事のある者でなければ、中々かけられるものでは無いと個人的には思います。
隣人を愛せという教えを信じているのなら尚更、まず彼らが取るべき行動は迫害への謝罪と改悛だったのでは、と思います。

結局、物語は正義の主人公たちが勝利を勝ち取りハッピーエンド…なんて体裁だけれど、その影には確実に揉み消され泣き続ける敗北者がいる。いつでも勝った方が正義とは限らない。
この映画では長く続くユダヤ人の悲しみが強調されていて、少し皮肉ってるのかなぁとか思ってしまいました。
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