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戸田家の兄妹のmaiのレビュー・感想・評価

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)
3.9
家族関係の嫌な部分を存分に描いた後に、それをバッサリと否定して、その縛りから解放される瞬間の心地よさ!
嫌な態度を取り続けた女性たちや我関せずだった男性たちを切りまくったシーンは最高でした。笑

父が亡くなったことで、親戚の家を転々とすることになった末っ子と母親。
兄妹たちも「行く場所がないし、体裁のために引き受けなくては仕方ない」という感じで、案の定どこに行っても厄介者扱い。特に初めの家は凄まじい…多分あれはどうやったって文句をつけるタイプ。
でも確かに「年に数回顔を合わせる分には良いけど、それが毎日となると…」という発言は真理だなぁと思いました。
嫌いあってるわけでもないけど、長いこと(もしくは今まで一度も)一緒に暮らしてない人間が生活を共にっていうのは、そうする他に方法がないにしてもイライラさせるものであるのに間違い無いですね。
粗探ししてるかのようななじり方は凄いですけど。

最後、ちょうど正論でバッサリ切られていくのは痛快でした。
そしてここで家族崩壊…な展開かなとか思ってたら、最後は新しく家族を作り直すという爽やかさもあって。
家族のリスタートを描いた作品になってました。
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