戸田家の兄妹の作品情報・感想・評価・動画配信

「戸田家の兄妹」に投稿された感想・評価

ひる

ひるの感想・評価

4.2
今まで確かだと思われていた兄弟の和が所詮は家父長制社会の均衡によるものに過ぎなかったと判明した時、三女はその社会の頂点たる父親の写真に対し、屈するかの如く項垂れる。
小津安二郎監督作品。
母親の還暦になったお祝いに息子、娘も集まって家族写真を撮った晩、父親が急死した。財産整理で実家も売却することになり、母と三女は長男の家に住むことになるが・・・という話。

母親と三女が、家を失ったので、その他の息子、娘の家に住むが、温かく迎えてもらえず、辛い目に遭う。観ていて気が滅入る。長女の家での、女中さんへの接し方が横柄で、辛い。
成瀬巳喜男の『娘・妻・母』のような話だった。最後のオチが母、三女の救いになればいいけど。

廊下、二階部屋等の映し方はいつも通りの小津。
佐分利信が若く、笠智衆も老け役じゃない。
玲玲

玲玲の感想・評価

4.2
いぜんご高齢な方から聞いたことがある愚痴
「子供なんて何人いてもなんにもならない。こんな寂しい思いをするならいっそいない方がよかった」
それ聞いた時は自分でそういうふうに育てたんだから仕方ないじゃんね
と思ったけれど
自分も少しは精神的大人になってきた最近は
それがある意味、子としての正しい成長なんだろうと思っている
子は巣立って新しいものを築くのだから親兄弟と相容れない事情が起こるのも仕方のないこと
親としてはかなり寂しい〜
昌ちゃんと節ちゃんみたいな賢くて天真爛漫な子どもがいてくれるといいよね〜〜
「食べ物は東京より関西のほうが美味しい」「この頃は銀座にも関西料理の店が増えたけど、あちらで食べるようにはいかないわね」という台詞がある。戦前・戦中の東京人も今と同じ認識だったんだなー

高峰三枝子はブルジョアの娘役がはまってる
犬

犬の感想・評価

-
お怒りからのコミカルな終わり方には和んだけど、途中に面白さは見出せず、これはまた映画力と集中力が上がった時に再鑑賞します。
dita

ditaの感想・評価

4.0
幸せ家族の団欒に、兄は遅れてやってくる。早く早くとせっつく妹、兄妹ながらも恋人よろしく、今日のお前は綺麗だな、兄さん何を言ってるの。一家揃って家族写真。これが最後の家族写真。

突然すぎた家長の死、ほころび始める家族の絆、老いたる母は邪魔とばかりに、独り身娘は邪魔とばかりに、あっちへ行けやらこっちへ行けやら。心優しき母と妹、顔で笑って心で泣いて、我慢の限界もう結構と、二人っきりの暮らしへと。会いたい時に貴方はいないと、慕いし兄は遠かりし、会いたい兄は遠かりし。

家長の周忌に集まる家族、兄は遅れてやってくる。寂しき母と妹の、悲しき一年やっと知り、なにゆえ酷い仕打ちをと、あなたの誠意はいずこにと。おらぬ貴方に何がわかると、長男長女は言うけれど、そんなの知るかと正論一喝、静かに激しく責めたてる。わかってくれるさ何時かはと、優しく妹慰めて、俺と一緒に暮らそうと、恋人よろしく声を掛け。それでもやはり二人は兄妹、結ばれることなき兄と妹、真の気持ちは隠しつつ、互いに良い人紹介し、照れるとばかりに逃げ出す兄を、追う妹の表情や如何に。

家族の崩壊、危うい兄妹、一部始終を見つめていたのは、物を言わない九官鳥。籠の中から見つめる家族は、いつの時代も変わらない。
『明日は来らず』の変奏曲というかほとんどリメイクに近いです(サンドイッチのくだりまで出てくる!)。ですが特有の味付けがかなり上手く効いています。細かい描写が不気味にリアルです。父親が死ぬまでの体の不調の訴えや、嫌味の言い方などなど。

そして佐分利信の魅力がもうすんごいです。終盤の激昂ぶりは静かながら昨今のキレ描写に勝るとも劣らない名演です。それでいてキュート。

しかし、『御茶漬けの味』はダメでこの作品は良かったという検閲の基準はイマイチよくわからんです。あと。『東京物語』の前哨戦のような作品らしいですが恥ずかしながら『東京物語』未見なのでそこに関しては何も言えませんわ。ふふふ。
一気に佐分利信推しになった。
『秋日和』に通じる「俺みたいなのどう?」に別の感慨深さが。
ちろる

ちろるの感想・評価

4.0
幸せの絶頂のような一族の団欒から急転直下。
一家の当主である父親が亡くなり、財産整理のために家を追われる母親と嫁入り前の末娘。
羨ましい限りの裕福な一族の優雅な写真撮影の風景からはとても想像できないような醜いなたらい回し合戦がリアルすぎて笑えない。
「東京物語」とも並べられるこちらの作品、こちらの方がより直接的で、オブラートが無い分だけある意味気持ちが良い。
ただ、兄弟多くてもこんな事になるなんて、たらい回しされるお母さんのこと思うと切なくて仕方ない。
親に迷惑かけてきたとしても本質が分かってる子供と、真面目ぶっててもっともらしい理由つけても損得勘定ばかりの子供、死ぬ前にお母さんの心に残るのはどっちなのかは歴然だよね。
人情深い古き良き日本の家族なんて嘘っぱち。
人間なんて、いい奴とか悪い奴とか括られるわけじゃなくて、ある程度皆自己中な生き物なんだなぁと少し虚しい気分にもさせられた。
そしてひと時も飽きさせないユニークな脚本の見事さには唸る小津節全開の家族劇でした。
がく

がくの感想・評価

3.7
話の内容としては、少し東京物語っぽい感じがしました。

親というのは、昔は絶対的な存在だったのですが、年が経つにつれてうざったい存在になってくる(少し言い方が悪いですが)というのは仕方のないものなのかなと思います。
一緒に住むと余計にそんなものなのだと思います。

いくら兄弟だからと言っても、新しい家庭を持ったり、違う環境で生活することにより、関係性というものが変化して行くのでしょう。
親にしろ、兄弟にしろ、血縁関係だからこそ何か面倒臭いものってたくさんありますよね。
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