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アラバマ物語のrumblefishのレビュー・感想・評価

アラバマ物語(1962年製作の映画)
4.2
1930年代のアラバマ。弁護士のアティカスは黒人の被告トムの弁護をすることになるが、町の住人にはそれを快く思わない者たちがいた。

子供の目線を取り入れているのがいい。
グレゴリー・ペックはこういう役がよく似合う。

決して正義が実現される訳ではないし、子供たちも理不尽な現実を目撃してしまう。
そして人種差別に基づく暴力は、子供たち自身にも向けられる。

本作にはモッキンバードを殺すような社会であってはならないという、アメリカの自戒が込められている。
被告のトムがメイエラの家に行ったのは、孤独な彼女の助けになろうとしたからだ。
また、正体不明で気味悪がられているブー・ラドリーは、実はジェムとスカウトを日頃から見守り、通りの木の幹に贈り物をしていた。
非力でもあっても心優しい人間が殺されるような社会であってはならない。
保安官の判断にはアメリカの理想とする姿が込められているように感じた。
そして、アメリカは、世界は、まだその途上にいる。


スカウトのハロウィンの仮装、「HAM」って書いてなかったら何か分からんな。

ブー・ラドリーズのバンド名がここからきていたとは。