Rita

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズのRitaのレビュー・感想・評価

3.6
劇場版クレヨンしんちゃん第12作目。

しんのすけ達は、街の外れに廃れた映画館「カスカベ座」を見つける。そこで流れていた荒野の景色を後に、しんのすけはトイレに行くのだが、席へ戻ると4人はいなくなっていたのだ。そしてしんのすけ一家でカスカベ座で居なくなった4人を探す為、映像が流れているシアターに入るのだが、スクリーンを見ているうちに気がつくと映画の中である西部の世界にいた。

カスカベ防衛隊のみんなが自分自身を忘れていく中、ボーちゃんだけは変わらず春日部を忘れないよう思い出すことをしてる姿に安心。忘れたくないのに記憶が徐々に消えてゆき、最終的には全て忘れてしまうのではないかと云うただならぬ恐怖心が煽る。

もう春日部に戻ることはできないのではないか、不安が募る一方、野原一家の団結力は薄れていくようにも見えた。いつも活躍している野原一家ではなく、今回はかすかべ防衛隊の友情が強く描かれていて良かった。

映画の中に閉じ込められる設定は好きだけど雰囲気が暗くてクレヨンしんちゃんの映画の中では一番地味な作品だと思う。「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」のように人の心理を上手く操った見事な作品でした。
Rita

Rita