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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君にのKのレビュー・感想・評価

3.9
やっと観れた。
聖書や生命の樹のモチーフが使われていて壮大な世界観だった。観て満足な作品ではなく、観たあとも掲示されたモチーフやセリフを丁寧に拾って、ストーリーを解読するのも楽しそうな作品だった。

劇中で人間同士分かりあってない、分かった気がしてるだけだ、それでも分かろうとするのが人間の面白いところだ、みたいなセリフがあったが、それはこの作品とそれを観てる者に対して言ってるようにも聞こえる。

人間が生きていく上で何を存在意義とするか、それを求めずにいられないこと、生きる意味、トラウマや葛藤など人間の内面をここまで深く掘り下げ活写した作品は観たことない。すごい。

エヴァンゲリオンが人気になった理由の一つに、当時普及しつつあったネット上で考察や論争が激しく交わされたことがあるって聞いたことがあるけど、その当時のサイト等が検索しても引っかからないのが悲しい。文化の喪失だと強く思う。

ストーリーのクライマックスにおいてシンジ君の内面描写として90年代後半の実写映像が挿入されていたのには笑わされた。
当時のオタクたちの姿と監督へ向けられた罵詈雑言を映画というカプセルに閉じ込め、風化させない、忘れないからなという静かな憤怒を感じる。
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