Jeffrey

スパイシー・ラブスープのJeffreyのレビュー・感想・評価

スパイシー・ラブスープ(1998年製作の映画)
3.0
「スパイシー・ラブスープ」

本作は本国中国で大ヒットした、五組のカップルの恋愛模様を、時に甘く時にホロ苦く描いたオムニバス映画で、現代中国で繰り広げられる数組のカップルの愛と人生の機微を描きエピソードーからエピソード五でトータル一〇九分の物語で、アジアン・ポップスで彩る愛の形を見事に捉え、一九九九年に日本では銀座シネマスイッチにて公開され、中国では「タイタニック」と人気を二分する大ヒット映画となり、恋の方程式を信じない、あなたに贈る物語と言う謳い文句で流行、東京国際映画祭コンペティション正式参加して、ロンドン・イーストウェスト映画祭でもオープニング作品として飾ったチャン・ヤン監督が脚本まで務めた作品である。この度VHSを購入して初鑑賞したが面白い(この映画はDVD化されている)。さて、物語を早速説明していきたいと思う。

エピソード一「声」

少年が淡い恋を告白するのに、レコーダーを駆使してテープで少女にアタック。そのテープが少女の両親にバレ、二人は引き裂かれてしまうが…。

エピソード二「マージャン」

人生の半ば過ぎた女性が離婚。新たな生活を求めて結婚相手をテレビで募集する。候補の男性とデートを繰り返すが、偶然出会った書道家と再婚することに…。

エピソード三「おもちゃ」

倦怠期を迎えた若夫婦。お互い、不平不満を相手にぶつけ合う日々。ある日ラジコンカーを購入。次第に二人はおもちゃに虜になりいて溝も深まっていく…。

エピソード四「十三香」

両親の離婚を目前に子供が、阻止したくて運命診断の占い師に相談する。料理に十三香を混ぜて食べさせると仲直りすると告げられるが…。

エピソード五「写真」

カメラマンが街で出会った女性に一目惚れ。二人は縁を感じ結ばれるが、翌朝彼女の姿はなかった。もう二度と離れないと誓った二人だが…。

この5つのエピソードでどれがー番面白かったって言うと、やっぱりエピソードーだった個人的には。どこかしら台湾映画を見ているかのようなほのぼのとした少年の淡い恋はとても愛くるしかった。本作を見ると、恋は簡単だが結婚は難しいこと、愛し合うのは簡単だが共に暮らすのは難しいこと、愛の決断は簡単だが愛の持続が難しいことがわかるオムニバスになっていた。冒頭のファースト・ショットの鍋の頭上ショットは印象的である。その後にまさかの莫文蔚の想一个男生が挿入歌として流れるからマジでテンション上がるわ。カレン・モクのマンドポップ大好きで聞いてたなぁ小さい頃。そうか、あのアルバム確か一九九七年に発売されていたからこの映画とあんま変わらないんだな。同じくマンドポップのTarcy SuのYa Ziがゲーセンで流れるシーンがあるんだけどそこもたまらない。いや、懐かしいなぁ…なんか。そもそも最初のエピソードで男の子が女の子の声が好きで、それをカセットテープに録音して家で聴くって言うこの側から見たらストーカーチックな感じがまた可愛らしい。淡い恋…。

この映画サウンドトラックがすごく良くて、二台トラックにベッドを置いて、男女がいちゃつくシーンがあるんだけどそのシークエンスで流れる刘若英の到处乱走も懐かしい曲だよ。エピソードおもちゃでもFaith Yang Nai WenのXing Xing Dui Man Tian Starsが流れたり最高である。他のエピソードも悪くは無いけど、最初のエピソードが良すぎて他のエピソードがちょっと弱く感じる。
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