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少年のhrdのレビュー・感想・評価

少年(1969年製作の映画)
3.9
 私的には胸糞映画に入るのでは。当たり屋をして稼ぐ4人家族の話。父親、父と血の繋がった長男10歳、再婚した母、父と母の子3歳という家族構成。実質当たり屋をしているのは長男で、値段交渉をする父、駆け寄る母という役割分担。家族崩壊と長男の不安定さを描いている。
 
 父親が典型的なDV気質のある男。10歳の子に僕が死ねばいいんだと言わせてしまう家庭環境。意外と食事シーンが記憶に残っているかも、ワンタンとかこれを食べなさいと父親が言っていたシーンなど。青みがかった画面やピンクがかった画面が印象に残っているが、ふと元の色彩に戻ると現実に戻されたかのような思いに駆られる。一人で汽車に乗り、天橋立での架空のおばあちゃんちへの帰宅が印象的。10歳という年齢で一人で生計を立てられない身、そりゃ福井に帰るしかないだろう、夜一人で海辺で泣き朝には何事もないかのようにいつもの日常へと戻る。
 黄色い帽子を二度も汚された所で、母親許すまじと思いました、少年はすごく気に入ってた訳で、金がありふれている訳では無い中で買ったんだから大切にしましょう。感情的で理屈が通っていない物言いをする父親、苦手すぎる。少年が学ランを着て、街中を歩いていも一切馴染まず、孤立や孤独感が滲み出ているのが凄いなと関心。
 
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