少年の作品情報・感想・評価

「少年」に投稿された感想・評価

子供は親を選べない悲劇。親になったからといって、血が繋がっているからといって、皆んなが子供に愛情を持てるとはいえない。それでも幼い子供は親を求めるし。切ない。

にしても、大島渚はすごいなぁ、この時代にこんな作品作っていたなんて。
己の状況を誰よりも俯瞰して見ている少年のあまりに早く大人にならなければいけなかった境遇たるや。
弟がお兄ちゃんの言葉をただ繰り返している姿の妙な説得力と画の強さたるや。
小山明子はこの頃33歳前後だろうか、子持ちの設定なんだけどなんとも言えない色気を漂わせている。
如何にもロードムービーな観光的、美的な風景ショットに、観察者である少年や一家が顕在して入り込むアンバランスさは、異質でかつ、無視されがちな日本社会の暗部を示す批評性がある
ラスト付近の新聞記事やスチール写真を羅列して、事件として一つの家族の顛末を描写するのも批評的で、リリシズムと混在している作風が良かった
また、自己内省的な場面に移行するモノクローム色調への転換が鮮やかで良い
母性的でもあり、暴力、死や、憧憬の象徴としても変化してあらわれるビビッドな赤色のモチーフも印象的
kuroD

kuroDの感想・評価

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少年が愛おしい。救いようのない愛。。。

ロングショットが良すぎて絶句だ。見とれてしまう。
当たり屋で稼ぎながら住まいを転々とする、アナーキーな家族を少年の視点で。表情を変えない主人公の少年が愛想の塊の弟と対照的で、雪が積もる町並と相まって印象に残る。ワイド画面の構図やライトの当て方にこだわりを感じる。映像のカラーをコロコロかえるのはどんな意図だろう。もろもろの展開が『万引き家族』とダブったが、こちらは疑似家族の破綻を描いていてやるせない気持ちになった。
☆雑感
当たり屋稼業で全国を渡り歩いた子連れ家族の話。実話ベース。全編通じてニヒルな空気が漂う。子役が本作出演のためにだけ選ばれた一般人というのが驚き。
子役の演技が素晴らしく、特に弟のあの感じはなんなのでしょうか 哀愁がすごいです ほかの方々と同様に万引き家族との類似性を感じるが、こちらのほうが暗くて、もっと逃げ場のない感じがする 実際の事件をモデルにしていて、父親がやっぱり悪いのだが、なぜ女はあんな男に騙されるのか でも悪い男っていうのはいつの時代もモテるものですね やはり女性は押しに弱いのでしょう それにしても暗すぎる映画だ
#Boy #1969
大島渚監督。渡辺文雄、小山明子。傷痍軍人の夫とキャバレー上がりの年下の妻、その間に生まれた子と先妻との子。当たり屋稼業で全国を流転。それぞれが屈折しており、相手を否定するのはそもそも自分自身を否定しているから。映像としては、構図がそれぞれ決まっている。モノクロ画面を挟んだり、スローを入れたり、音楽もクラシック風現代音楽(林光)で、全体的にどこかヌーヴェル・ヴァーグの臭いがする。安易なズームや頻繁な切り返しもなく、そのせいか日本的な湿っぽさは一切無い。恐るべし、大島渚。
Zuidou

Zuidouの感想・評価

4.0
一家四人で当たり屋をやって、どこにも定住せず流転の生活を送る家族。傷痍軍人の父、派手好きな継母、少しませた少年、まだまともに話すことも出来ない弟。見ていて特に感情移入はしない。好きとも嫌いとも思わない。感覚としてはネイチャードキュメントを見ている時に近い。そういう生態の生き物なんだ、面白いなと。高い旅館にばかり泊まって、身なりも一般的な人より少し豪華なのが、この間ネットの記事で見た、クレジットカードで借金何千万もしながら収入以上の暮らしを楽しんでる人みたいで怖くなった。贅沢は出来るものの余裕は全く無いから嫌というほどご機嫌と不機嫌を行ったり来たりするのがとてもリアル。北海道パートが最高。雪景色は映画で観るとより一層異世界に見える。どこか別の惑星へ移動したみたいに、空気がまるで変わってしまう。
Satsuki

Satsukiの感想・評価

4.3
体を張って稼いだ1000円握って家を飛び出して、高知に行きたかったのにお金が足りず天橋立までの切符を買って、ひとりパンを食べながら乗る夜の列車は格別にもほどがあると思う
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