少年の作品情報・感想・評価

「少年」に投稿された感想・評価

床ずれ

床ずれの感想・評価

4.0
再見。やっぱり良い。ATG期の大島渚の映画はどれも傑作。大島渚の映画にはよく亡霊が登場するが、この作品でも、少年の目にだけ妖怪や幽霊が映っていた。
2003年8月5日、池袋・新文芸坐で鑑賞。(2本立て)

父母とその息子が「当たり屋」をして金を稼いで生きていく哀しい風景を描いた大島渚監督の傑作。

「少年」を主体として「哀しい仕事=犯罪」をしなければならなかった家族の心情を映像として提示され、「生活とは?人生とは?」を考えさせられる映画だった。
何度目かでこれは旧日本軍批判の映画なんだなと思うに至る。
当たり屋を「仕事」に日本中を転々とする家族の話なのだが、家族が日本の最北端で熱々の酒饅頭を食べるシーンはそんな彼らの最低な背景おかまいなし。なんだこれ、最高の食事シーンすぎる…。
どうしようもないクズ両親と達観少年の話と言ってしまえば単純だけど、それきりにしないところが大島渚なのか。上手く言えないけど。
N

Nの感想・評価

4.5
少年もまた父から受け継いだ戦争による負の連鎖のなかにいたのだろう。現状から逃げたくても逃げ切ることのできず、結局親の元に帰らざるを得ないという状況はまさに子どもの無力さを象徴しているよう。
ちなみに、映像の質感も色合いもアングルも全て好み。
実際の事件を元にした作品です。
子どもが関わっているという点で、「誰も知らない」と同じですが、こちらの少年の方がよっぽどシリアスな感じです。

是枝監督の「誰も知らない」は主演の柳楽優弥がカンヌで賞を獲り、現在もバリバリ俳優を続けているのですが、
本作の主人公、少年役の子、阿部少年は本作以降映画に出演していません。また、阿部少年は当時児童擁護施設で生活していた孤児でした。

阿部少年の瞳がとにかくすごい。
彼の起用だけで本作は成功したと言っていいと思います。

阿部少年の姿形を、その目を、忘れられないと誓うことだけしか、私にはできません
紫色部

紫色部の感想・評価

4.0
2017.10.2 U-NEXT

そして、彼もまた
obao

obaoの感想・評価

3.7
@シネ・ヌーヴォ
面白かった。うん、面白かったのだけど…やっぱり、大島渚のメッセージというのが、よく解らないです。
日の丸を掲げた旅館にある積み上げられた遺骨箱の意味は・・・?
雪だるまの宇宙人とは・・・?

車にぶつかり金銭を要求する「当たり屋」。それで生計を立てて全国を放浪している家族。父親は傷痍軍人であることをいいことに、妻や息子に当たり屋をさせるろくでなし。少年にとって父の妻は血の繋がりのない継母。小学校にも行かせてもらえない少年は、逃げても戻る…その行き場の無さがやるせない。

尊大で卑屈な父・渡辺文雄。
化粧が濃く派手な衣装の妻・小山明子が映画をトリッキーにしている。
少年・阿部哲夫の社会を斜に見るその視線に彼の諦念を見る。

《映画という表現形式を通じて日本における国家や国民の枠組みそのものを批判的に追求してきた映画監督であるが、本作は大島の思想が見事に映像化された代表作のひとつ》…と、チラシにはある。
そう国家。つまり政治的な思想なのである。それを表現、批判するのに大島渚はよく日の丸を映すが、恐らく批判なのであろうが…やっぱり、意図は詳しく解らない。(…右派なことではなく、純粋に意味が解らないということです)

ロードムービーとしては面白いのですが…ね。考え過ぎるとダメです。

【2017優秀映画鑑賞会・大阪】にて
家族を見捨てることができない少年の瞳に映る世界は、あまりにも薄汚く哀しい。だからこそ、一面の海、雪原が美しくも残酷に広がる。
最北端の地で風と雪に晒されてる様が、行き詰まっている一家の様を、末路を示しているようで。父と義母の事情も垣間見え、何だか憤りめいたやりきれなさを感じました。
美脚

美脚の感想・評価

4.0
2017年8月鑑賞。
「宇宙人になりたかったけれど僕はただの子供なんだ」破壊していく雪だるまには死んだ少女の赤い長靴を置いていた。白い雪に赤い長靴、いままで執拗に背後に存在していた日本国旗を思い出す。少年の怒りと悲しみが秀逸に表現されていた。護送中の電車で眺めた海はどこまでも逃げることのできなかった隔たり、怪獣たちのいる海だった。
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