ありす

ベトナムから遠く離れてのありすのネタバレレビュー・内容・結末

ベトナムから遠く離れて(1967年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます


結局あたしも映画を見終わって、なんて悲しいことなんだろうとひとしきり呻いた後、暖かい布団に入って、遠くで虐殺される人のことをまったくわすれて、心地の好い眠りにつくんだろう。人間はずっと憎むことはできない。遠く離れているならなおさら。

今戦争が起きていて、人道危機があって、でも、たくさんの人が見ないふりをしてる。口では反戦を唱えても、ジェノサイドを行う国を支援する企業に意識的になったりはしない。便利だから、生活の一部だから。資本主義のなかで、あたしたちの行動の一つ一つが、命を踏み潰すその行為に加担していることは、あまりにもおぞましくて、そのグロテスクさに目を向けることが出来ないんだ。

あたしは沈黙していることを恥じた。
この反戦映画を撮った監督たちに顔を向けられない。
ごめんなさいとしか思うことができない。
今のあたしには本当に重たくて、きつい映画だった。
ありす

ありす