グシ

仮面ライダー THE FIRSTのグシのレビュー・感想・評価

仮面ライダー THE FIRST(2005年製作の映画)
3.7
出渕デザインのダブルライダーが最高にクールな殺陣(アクション)を魅(み)せる…もうこれだけで気持ち星5.0!
ただまぁトータルで見ればいいとこB級を名乗れるか程度の凡作だと思います。残念ながらアクションだけでは誤魔化せませんでした。

・良くないところ
話がつまらん。長くない尺の中に恋愛ドラマやら怪人の背景やら詰め込まれているためだろうか。「ライダーで冬ソナ(白倉P談)」は無理では…?

尤もドラマの内容が超絶面白かったとして、それで作品の評価が良くなることはないと思われる。良し悪しに関わらず作品テンポが崩されている節はある。

要は作品内の時間配分がダメダメなわけで、(それなりの内容の)ドラマそこそこに後は全編アクションだったらもう少しマシな内容になっていたのではないか。大人向けを謳ってドラマ偏重なつくりにしてしまったことが失敗の要因である。

そもそも初代をベースに現代ナイズドされた単発映画が大きな支持を得られるわけもない。
近年の東映リブートが軒並み低評価なのは、単に"求められていないから"ではないだろうか。「アマゾンズ」が広く評価されているあたり、今は"リメイク"も"リブート"も売り文句にしない、原典とは全く異なる別物が求められているのだろう。

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不満ばかりですが、アクションとライダーだけは本当に素敵なんです。誰かが言った「ライダー史上一番かっこいい着地」とはまさにその通りで、"バイクを駆ってキックでトドメを刺す"、これこそ仮面ライダーの根幹・原点なのだと感じられました。

デザイン面でもマスクからはみ出る襟足や一々鳴る顎カシャ音が最高にかっこいいのでは…?さすがフィギュアーツの発売1号に(厳密にはnext版が)選ばれるだけありますね!
私的な盛り上がりポイントナンバー1は、やっぱりあのファイティングポーズ😉


ごちゃごちゃ書いてきましたが決して出来の良い映画ではないし、人によっては春映画の方が笑えるだけまだマシかもしれません。
この作品が駄作凡作クソ映画だらけのライダー劇場版の一つであることは事実で、そこはもう擁護のしようがないです。けれど…

偉そうですが、怪奇ホラーとしての仮面ライダーを蘇らせようとした気概そのものは(出来は置いておいて)個人的に高く評価しています。近年の平成ライダー人気に胡座をかいて「良い映画を作る」という当たり前の意識も持たない春映画なんかより、ただその一点だけこの映画は優れているんです。だから僕は好きです。
グシ

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