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東京騎士隊(ナイツ)のMiver2のレビュー・感想・評価

東京騎士隊(ナイツ)(1961年製作の映画)
4.0
鈴木清順監督のフィルモグラフィーを追って行く中で、時期的にこの辺の清順監督の作品なら一番面白いのが「東京騎士隊」かなと。
黒板に書いてた言葉に笑ったり、揺らめく赤が印象的なクラブのシーンはデヴィッド・リンチ監督の映画でもありそうなお手本としての描き具合がここにはあって、楽しむ事が出来て良かった。

悪い人達が繰り広げる攻防劇としては平凡だけど、その中での数々の仕掛けが後の清順監督作品に繋がって行くような面白さを感じられたし、ジャズをはじめとする粋な音楽の使い方を存分に楽しむ事が出来て嬉しかった。

じわじわと繰り広げて行くその駆け引きの中で、学校を舞台に派手にやらかしてくれるあの描き具合が素晴らしかったし、校長と外国人教師のバトルで感じる気骨さが最高だった。

物語がクライマックスへと向かって行く中でのスリリングな描き具合が素晴らしかったし、舞台芸術とサスペンスを融合しながら加速する攻防劇の面白さがここにはあって。
そしてまるで西部劇みたいな格好良さに溢れていたのが素晴らしかったなと。

この辺りの清順監督の作品は大体そんな感じがする事として、人が持つ良心と醜さと言うのがあると思うだけど、そこで色々ありながら最後は良い話でまとめると言うのが共通してるなと言うのはある。

清順監督ならではの粋な面白さを体感出来て最高だったし、この辺りの作品でこじんまりとした所から解放された所で描く面白さに溢れていて、素晴らしい作品でした。
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