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シャンハイ・ヌーンの福福吉吉のレビュー・感想・評価

シャンハイ・ヌーン(2000年製作の映画)
4.0
🐉 Jackie Chan-ISM Vol.047 🐉

シャンハイ・ヌーン

◆あらすじ◆
1881年、中国の紫禁城からペペ姫(ルーシー・リュー)がアメリカに連れ去られる。犯人から身代金をアメリカのネバダ州カーソン・シティへ持ってくるよう要求される。身代金の運搬に同行したチョン・ウェン(ジャッキー・チェン)は列車強盗に遭遇し、チョンは仲間とはぐれてしまう。チョンは独りでカーソン・シティへ向かうが、途中の酒場で列車強盗の一味のボス、ロイ・オバノン(オーウェン・ウィルソン)に出会う。2人は口論の末、酒場で大暴れしてまとめて牢屋に入れられてしまうのだが...。

◆感想◆
ジャッキー・チェンの製作年の年齢:46歳

中国の皇帝に仕えるチョンが西部劇の時代で大暴れするストーリーは新鮮味があって、それでいてテンポもよく、次々とシーンが移り変わっていくので、飽きることなく観ることができました。

チョン・ウェンは皇帝の近衛兵の1人に過ぎなかったのですが、誘拐される前にペペ姫と会話を交わしており、そのときに引き留められなかったことに悔いがあって、アメリカへ姫の奪回に行きます。チョンという人物の中心に「皇帝への絶対的な忠誠心」というものがあって、チョンの潔癖さ、真面目さに繋がっているように感じました。その一方、酒が入るとだらしない部分が現れて、かなりご機嫌な状態になっていて面白かったです。

列車強盗のロイ・オバノンは悪党ですが、無用に人の命を奪うことを望んでおらず、また、拳銃の腕も拙くて、小悪党といったキャラクターになっていて、本作のコミカルな部分を担っていたと思います。お調子者のロイはチョンから姫の奪回のために身代金が運ばれていることを知り、身代金目当てでチョンに協力するようになります。

本作の見どころはチョンとロイの掛け合いにあると思います。生真面目なチョンはロイの言うことを全て真に受ける一方、戦いに際しては臆病なロイを勇猛なチョンが押し出す関係になっていて、二人の個性が上手くぶつかっていて面白かったです。

誘拐されたペペ姫は望まない結婚をしたくなく、教育係のアメリカ人の誘いでアメリカに連れ去られるのですが、後々、自分が誘拐されたことを知ります。それでも中国に戻りたくないという意思をチョンに伝えており、彼女の意思の強さを感じました。

アクションシーンは本作では西部劇ならではの馬に騎乗してのアクションがあったり、列車上での危険なスタントがあったりと見応え充分です。チョンが馬の蹄鉄を利用した格闘アクションは独創的で面白かったです。

かなり面白かったです。チョンとロイの凸凹コンビの行動や言動の面白さや西部劇という背景の特殊性が上手く発揮されていた作品でした。

鑑賞日:2023年8月20日
鑑賞方法:DVD
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