さすがにプロパガンダ感は強い。ほぼ史実を元にしている一方、恣意的に切り取られている部分もかなり感じます。
けれども、モンタージュ技法の確立だとかのポイントをさておいても、そもそもの絵作りだとか伝わってくる熱気だとかにまず目を見張ります。
そして昔の映画特有の、これ本当に怪我人出てるんじゃないの?と疑うような逃げ惑う群衆からの、有名な大階段の乳母車のシーン。言わずもがな、ここは現ウクライナのオデーサが舞台なんですね。
この映画が作られてから来年でちょうど100年。未だに戦争の歴史が繰り返されているとは、エイゼンシュテインも予想していなかったかもしれません。