戦艦ポチョムキンの作品情報・感想・評価

「戦艦ポチョムキン」に投稿された感想・評価

kei

keiの感想・評価

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「....もし映画が単なる暇つぶしや居眠りの手段とみなされるなら、そのような傾向の欠如は、事なかれ主義へ連れ去ろうとする意図、現在あるものによって満足せしめようとする意図にほかならないと私には思える。映画は、善良で画一化されたおとなしい小市民を育成する宗教団体に似たようなものとなりつつある。こういうことのすべては、アメリカ式ハッピー・エンディングの哲学ではないだろうか?...」
(『エイゼンシュテイン全集 第2巻』「エイゼンシュテインについてエイゼンシュテインは語る」より)
このエイゼンシュテイン自身の言葉にもあるように、映画では、戦艦の兵士達であれ(戦艦を歓迎するシーンでの)オデッサの民衆であれ革新的行動を実行に移した者たちのいきいきとした姿が印象に残った。(A)

一方、
映画は1925年のロシア第一革命20周年記念祝賀祭における上演の依頼を受け作られたものだ。1905年における一連の革命的諸事件を取り上げる予定であった(結局撮影が紛糾しポチョムキンの反乱のエピソードのみに絞られたが。)ことからも伺えるように、当時の労働者(身分最下層)たちの屈辱的で隷属的な立場を序盤の戦艦の描写とオデッサの虐殺シーンで色濃く見せつけられる。(B)

戦艦とオデッサの両シーン、どちらも(順番は逆だが)上記2つ(A)(B)の要素によって成り立っており、物語ではなく特定の論理を刷り込まれているような気分になった。(プロパガンダ映画とはこのような性質のものなのだろうか。)
TICTACz

TICTACzの感想・評価

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Rebel of the Russian battleship Potemkin against their officers

Montage sequence of The Steps of Odessa
- Baby carriage
- A mother and a dead boy
戦艦ポチョムキン。しゅごしゅぎる。特にオデッサ階段は映画史上最も有名なシーンだけあって凄まじい。やはりこれ今まで作られた最高のプロパガンダ映画なんだろな。そしてその後の映画の技法のほとんどがある。小説におけるカラマーゾフみたいなもんだ。さすがエイゼンシュタイン
【ロシア感満載!】
平昌オリンピックで金メダルを獲得したザキトワ選手の「帝王万歳!」感溢れる音楽が新鮮で印象的だったため、『戦艦ポチョムキン』の音楽もザキトワ選手が使用していた音楽とかなり似ている感じがした。もちろん、映画の方が最初なので、ザキトワ選手はロシアをアピールするために使用したのかもしれない(ロシアとしての出場ではなかったし)。
この手の音楽を聴くと、ロシア魂とは無縁の私でさえ行進したくなるというか、「何か新しいことを自分の手で切り開くんだ!」という革命心が芽生えてしまう。
白黒映画の白!黒!という強いコントラストが立ち上がる市民の覚悟を強調している。やはり見所は、「オデッサの階段」でしょう。戦艦ポチョムキンを見に集まった市民に向かって、軍が銃を発砲。火の粉のように散る市民は一気にオデッサの階段を駆け下りゆく(どんだけ長い階段なんだよ〜)。女子供にも容赦なく、撃たれた母は赤ん坊が乗った乳母車を離してしまい、乳母車は階段を降っていき…ん?どこかでこのシーン見覚えが…『アンタッチャブル』パクったな(笑)。断然、『戦艦ポチョムキン』の方が切迫感があって素晴らしいのでありました。
プロパガンダ映画。
映画の勉強に、と思って見てみたが白黒無音映画なことに今更ながら衝撃。当たり前だけど、初期の映画は白黒無音だったのか。
1925年の映画でこのクオリティだったのはすごい。

ポチョムキン号に乗る水兵が反乱を起こす。
ウジ虫まみれの食事がきっかけである劣悪な労働環境故の選択だ。

ストーリーの構成をいくつかに分けられていて100年前の作品なのにとても分かりやすい手段を取っている。

素晴らしい、プロパガンダとしての映画だ。
miminaga

miminagaの感想・評価

3.6
なんと製作は1925年!同じく古いメリエスと比べると長いし、楽しい映画でもなさそうで、観るのを躊躇していた。結果、想像以上で驚いた。ラストは結構手に汗握る感じだったし、有名な乳母車のシーンは赤ちゃんがちゃんと乗ってるようにみせてて、なおかつ倒れた負傷者の手をすりぬけて落ちる小技まであって、かなり凄いと思った。これが100年近く前だなんて!信じられない。私もプロパガンダにやられたかな。
ぴ

ぴの感想・評価

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数の暴力、オデッサの階段のシーンがマーベラスなのは言わずもがな、パワーとスケールと気合の三拍子揃っちゃってる

歌劇場のライオンズがひょうきんな顔でキュートなのとロシア人みんなガタイが良い、やはりシステマが最強なのか
螢

螢の感想・評価

3.3
古典には手に取るべき意味も価値もある、ということを改めて体験した作品。
100年近く前に作られた作品とは思えないほど、刺激と迫力とエネルギーに満ちた作品で、まじまじと観てしまいました。

複数の異なるシーンを細かくつなぎ合わせたカット割りにより、感情の強調や、新しい意味の生成をし、鑑賞者に訴える「モンタージュ理論」を実践・確立した、映画の教科書的作品として知られる、1925年にソ連にて制作・公開された、サイレント映画。

日露戦争敗北直後のロシアは戦艦ポチョムキンにて、「ウジ虫入りスープ」をきっかけに、虐げられてきた労働者階級である水兵は反乱を起こし、上級将校の殺害・監禁事件を起こした。
そして、戦艦の寄港した港町オデッサでは、市民の蜂起をきっかけに、帝国側であるコサック兵による市民の大虐殺が起こり…。

映画史上「最も有名な6分」とされる「オデッサの階段の虐殺」のシーンは、血が苦手な私にとってはつらいのだけど、それでも、細かいカット割りによって高められた緊迫感と、それなのに滞りのない流れのよさに惹きつけられてしまいました。

大階段を逃げ惑う市民、撃たれる子供、瀕死の子供を抱えあげて兵士の前で命乞いをする母、血まみれで咆哮をあげる老婆、銃声に倒れる母親、赤ん坊を乗せたまま階段を駆け下ちていく乳母車、足下の市民の死体には目もくれず列をなして階段を下りながら銃を撃ち続けるコサック兵…。

つなぎ合わされる画面が、残虐さや悲しみをこれでもかと強調します。モンタージュ理論ここに極まれり、という場面ですね。

モンタージュ自体は現代では当たり前の技法となりましたが、それでも、このオリジナルの力強さは他に類を見ない見事さです。

無声映画ならではの、声がない分演技の振りが大きい絵画的な要素、紙芝居のように挟み込まれる字幕カットなどが、これまた独特の味を生んでいます。

映画史上の価値につられて鑑賞した作品でしたが、そんなの忘れるぐらい、夢中でみた作品となりました。
かっこよ。ちょっとグッときた(影響されやすいのもあるし、プロバガンダ作品だということでもあるし、映画として面白かったのもある)
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