ジャームッシュ作品のイメージを一言で表すなら「心地良い退屈」と思うが、本作もその期待を裏切らない。
監督の作品だから、わざわざ部屋を暗くしベッドに横になりながら鑑賞。やたら多いブラックアウトのせいで途中映画なのか夢なのか分からない微睡みに襲われた。
とはいったものの、ジョニーデップが冴えない求職者から孤高のならず者へと変化していく様子は観ていて中々痛快であった。また本作と関係の無い緩いユーモアとイギーポップの無駄遣いも楽しい。
本作では監督がが好きそうなスピリチュアルな要素も見られるが、眉目秀麗な主人公のおかげで雰囲気に騙されて(勝手に納得して)観ることが出来る、と思う。
ポークパイハットに毛皮のコートというギョッとする組み合わせもさらっと着こなすジョニーデップ。若い時からファッショニスタの素質があったことがよく分かる。