いつも「悲しくなるから観たくないな」と思う。
狙いすまされたようなお涙頂戴シーンは無く、ただただ4歳と14歳が孤独に生きて苦しんでいくだけの映画で、これぞ戦争映画なんだと感じる。
大人を頼りたくも邪険に扱われ(大人側も生きるのに必死だから…)、いつか帰ってくるであろう父に会えるまでできるだけ兄妹だけの力で生き延びようと苦しんで…。
14歳の清太に何ができただろうか。
冒頭の恐らく三宮駅でのシーンは一般人である駅員があまりにも人の死に慣れ過ぎていて、この人たちはどれだけの恐怖を味わっていたんだろうと。そして一つ一つの命に反応していたら、きっとあの人たちの精神は潰れてしまうんだと思う。
二人が見下ろす神戸の街はなんだか空虚だ。