ナナ

ひろしまのナナのレビュー・感想・評価

ひろしま(1953年製作の映画)
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1953年8月。
終戦から8年後に作られた原爆の映画。

例えば今、東日本大震災の映画を作るようなことだ。
...
「世界の人よりまず日本の人に知ってもらいたい」
これを作る意志。
観てもらいたいという意志。
俳優。俳優の伝えるリアリティ。
尊敬しかありません。

7年しか経っていなくて、
7年経って、...「振り返る人もない。」
衝撃でした。

原爆症の日々。
何が起きているのかも、これからどうなるのかも、わからない恐怖のなかで。
それを周りにも伝えられず、ケロイドを隠して仕事するなかで。
この映画は作られた。
子役さんたちは、ぎりぎり戦後生まれかもしれない。
大人の俳優たちは、全てを体験した人たちだ。

絶対に風化させないために、トラウマも辞さず、再現すること。

あの痛みを、全力で生ききるためだけの、あの配役。

作ってくれて、放送してくれて、ありがとう、を言いたい。
今、必要な映画だ。
ナナ

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