a

パニック・ルームのaのレビュー・感想・評価

パニック・ルーム(2002年製作の映画)
3.8
やはり好きだ!

引っ越し初日の深夜。シングルマザーとその娘の元へ強盗が侵入する。これは女VS男のある種のアクション!夜、雨、この要素をうまく使い、家の中の密室状態が緊迫感を高める。更にスローモーションを加え、次の展開に釘付け。突っ込み所はあるが、スピード感で前に、前に、推進力で乗り切った印象とスリリングで思わず声が漏れるシーンの連続で一気に振り切った感覚が同時に楽しめる作品。
当時、妊娠中のジョディフォスターの体当たり演技は心配になるほど素晴らしい。二人で住むにはもったいないくらいの大豪邸で娘を守るために奮闘する母親。お腹に自らの子供がいたせいか、演技に厚みが出ている。
娘役はクリステンスチュワート。ターミネーター2のジョンコナーを彷彿とさせる顔つき、髪型は超かっこいい。持病持ちという難しい役ながら器用にこなしていた。
そして強盗の3人。問題はここ!
1人目。バーナム(フォレストウィッテカー)。きっと今作に不満がある人はきっとこいつが原因。家族を養うために、という理由で屋敷に侵入するも良い人感丸出し。「金はどこだぁ!」みたいな人柄ではなく、ただただ温厚で殺しはしない。フィンチャーだからと言って、セブン、ゴーンガール、ドラゴンタトゥーのような狂気的犯罪者を期待すると確実に肩透かしを食らう。
2人目。ジュニア(ジャレッドレト)。今作で一番、犯罪者っぽくて。かなり好き。荒い性格や狂った感じは「スーサイドスクワッド」のJOKERに大いに期待できる。
3人目。ラウール(ドワイトヨアカム)。この3人の中でも登場した瞬間から、一人だけ覆面をつけた謎キャラ。だったはず。ある一件で指を負傷するのだが、そこからのキャラ崩壊っぷり。終盤のこいつを使った展開を待っていたのに、、、本当に訳が分からん。
この3人のキャラ設定が中途半端で、フィンチャー作品特有の一貫した犯罪者が誰一人としていなかったのは非常に惜しい。
中盤のCGは正直冷めるし、撮り方も普段と異なる部分もあり、一味違うフィンチャー作品が楽しめた。
セブン、ゴーンガール、ドラゴンタトゥー、ゲーム、これらの作品には及ばないが、「やはりフィンチャーが好きだ!」の再確認させてくれる上出来なミステリー。
きっと低予算だし、出演者の少なさを考えても、スコアの割には満足!


なぜ夫があんなに年寄りなのか、、、それが一番の突っ込みだよ
a

a