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刺青一代のICHIのレビュー・感想・評価

刺青一代(1965年製作の映画)
4.0
鈴木清順の歪で過剰な任侠映画。ヤクザ者の兄がマザコンで芸術家を目指すおとうとのために全てを捨てて一緒に逃亡生活を送るのだが、なんかこの2人の兄弟愛が過剰で、弟の死の間際酒を口移しで飲ませたりする。その弟の親分の奥さんに対する愛情も歪だし、和泉雅子の爽やかすぎるのもここでは過剰な感じを帯びる。水車が繰り返し出てくるけど、なぜかニコラスレイの「大砂塵」の滝を思い出した。ラスト、長ドスを握りしめた自分の指を自分で引き剥がすショットは「昭和残侠伝、死んで貰います」の高倉健を彷彿とさせるが、両作品は似て非なるものだと思う。
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