朧気sumire

容疑者Xの献身の朧気sumireのレビュー・感想・評価

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
4.0
上映されていたときに映画館で見ました。当時はまだ13歳だったと思う。
堤真一が演じる石神を見て、俳優の演技力の凄さをはじめて感じた映画。
それくらい堤真一の演技が凄い。目のそらし方や若干詰まりぎみな会話のテンポなど、現実にもいる不器用な人間そのもの。

公開前に発表されたキャストを見たとき石神にしてはイケメンすぎないかと原作読了済みの私は不安になったけど、今では堤真一以外の石神は考えられない。
役に対する理解力と演技力があれば外見のイメージなんてそんなに意味は無いとこの映画のおかげで気づけました。そういう意味で思い出深い映画です。

そして内容も大好き。
ただ骨太なサスペンス映画ではなく、人間ドラマ。たった一人の愛を描いた人間ドラマ。
そして何より好きなのはやるせなくて物悲しいラスト。虚無感にあふれた暗い人生のなかでようやく抱けた石神の願いを思うと、このラストは本当に悲しいです。仕方ないけれど、悲しい。
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