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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセスのmeitouのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

よく子供向けアニメで『ある日突然地球を守る異界のプリンセスだったということが判明しちゃって現世になんの未練も無く異界のものになる』っていう少女戦闘プリンセスもの(或いは日常から離れて異界で暮らし闘うようになる少年漫画)がよくあるけど、
「家族現世に未練無いのかよコイツ…」
と子供ながらツッコみたくなったりするが、ある意味そのアンチテーゼ的な話な気がする(考え過ぎ)
ひまわりが小中学生だったら完全にそういう異界プリンセス生活が始まる系な話だしコレ…
なんと言っても家族がメインの話だしクレしんは…


何故かフィルマークスのクレしん映画関連一覧から抜けてて見逃してた…何故だ
スパイあたりから予算をまた割けるようになったのか映像のクオリティやストーリー、演出が映画版らしくなってきた?(00年代暗黒期はどう考えても手抜きでTVスペシャル回にしか見えなかったので…)

普通にちゃんと良作で描写も面白いし話や最後のクライマックスにもテーマがあって(地球の危機と家族の都合どっちか一つは取れないとか…小さい子には分からんと思うけど大人になって見ると何気に深め)良いクレしん映画
あとちゃんとクレしんらしいコメディながら子供らへのメッセージ性もちゃんとある(妹を最初要らないって言ったりしたしんのすけへ大臣ズが問いかける所とか…しんのすけは相変わらずの対応してるところもまた良し)
駄目な時期と比べると特に非の打ち所がないし普通に個人的クレしん映画大人帝国以降TOP4ぐらいで良いと思った

今回は敵というか相手サイドがワケ分からん利己的な悪い奴と言うわけではなく、現実と異界が区別ついてて変な追いかけっこもしすぎないので良い、敢えて一対一で言葉で説得しかしない見守り大臣のシーンとか深みがある

あと普通に描写に笑いの要素も色々盛り込まれてて笑えて面白い

クレしん映画史上ある意味最もスケールがデカい話なのでは…星レベルの危機を救うしんのすけ(ケツだけ爆弾も星レベルではあったけど演出がショボい)

最終的に解決のオチはちょっと終わり良ければ全て良しという感じで適当だなと思ったけどまあクレしん映画の中では充分(何なら結構評判いいサボテンのオチのほうがあっさりすぎてアレだし)

ひろしの回想のしんのすけ名付けシーン(ちゃんと当時の通常回放送の名シーン焼き直しでそのまんま再現されてる)とかちょっと感動する

泣かせに寄せ過ぎない程度にアツくて良いシーンがある

映像も映画版に相応しいレベルになってる

途中のドラッギーな転送映像はディズニークラシックのダンボのヤクシーンをちょっと彷彿とさせる(ロボ父でもあるけど)ほんでアリス風のシーンもあったり…序盤は若干相手側が謎ミュージカルするし(ちなみにミュージカルの変な間に対してしっかりひろしのツッコミがあるのが今までの00年代ミュージカルシーンのダメな所から一線を画したりしている)ある意味その辺だけディズニーっぽい

序盤に異世界に飛ばされても現実世界の常識で対応しようとするひろしみさえの描写があるので普段の世界観を壊さず此方もエェ…ってならないのが良い感じ

渦中のひまわりは最初から最後まで何がなんだかのマイペースでこの回に限ってはしっかり0歳児なんだなと思ったw

防衛隊の活躍はほぼ無し

最後に唯一ひまわりがしんに「にーに」って言う(しんのすけしか知らない)のがニクい演出である

普通にクレしんのノリが好きなら文句なしのお勧め作
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