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スージーの真心のcyphのレビュー・感想・評価

スージーの真心(1919年製作の映画)
3.8
クローズアップという技法はリリアン・ギッシュがあんまりに可愛くて生まれたんですか?好きピの婚約を知って思わず笑いが込み上げてしまう一連の表情だけの演技すごい 猫みたいな大きな三白眼にどこかとぼけた風情の美しい鉄面皮ってまるでキートン、でもぽてぽてとした幼いスージーの歩き姿はチャップリンだ 散り行く花はひたすらリリアン・ギッシュが哀れなばかりで寓話〜ってかんじだったけど、本作はアイスクリームを食べすぎたりお化粧集団を鼻白んだり過激なドレスで攻めてみたりとちゃんと人間味のある女の子でよりキュート しかしその超人的な真心よ

ウィリアムの妻の体たらく(ろくな料理もつくらずこっそり家を抜け出してパーティーで踊り倒し鍵を落とし豪雨に遭いスージーに泣きつく)もダイナミックでよかった それなりに不誠実な死も そして120%自業自得な彼女をそっと抱き寄せ我が子のように頭を撫で慈しむスージーの真心

ウィリアムの妻の真夜中のキスが突風で開いた木窓からの明かりで照らされてスージーに見つかる、とか ラストにじょうろで水をやるスージーの窓辺にウィリアムの影が落ちてプロポーズする、とか 木に刻んだサインやぽてぽてと歩く幼い二人の後ろ姿が効果的にインサートされるとか 映画だ!と思うシーンも多かった ぽてぽて歩きのスージーの静かな破壊力ったら
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