cyphさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

ノーラン信者は基本馬合わなくて苦手だけどこれは面白かった 時間軸をなんとか…ていう常套テクについて、あるひとりの人間という一枚絵を描いてくときにいったん眉描いてそれから左袖の皺描いて、て進めることある>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.7

思い出横丁モクで観た ゲームもカーレースもぜんぜん知らないけどレース用の車のドアのとこにPlayStationのロゴマークプリントされてるのリアルとフィクションがザッピングする感じして格好よかった 本>>続きを読む

ライク・サムワン・イン・ラブ(2012年製作の映画)

4.0

ユーロの「東京」特集にて嬉々として鑑賞 前情報なしにかつ映画がはじまりかけたタイミングで劇場に飛びこんだので冒頭しばらく劇場間違えてないよな?の不安があったけどしばらくしたらすぐ払拭された これはまご>>続きを読む

コロッサル・ユース(2006年製作の映画)

4.7

「愛しき妻へ 今度会えたら30年は幸せに暮らせるだろう お前がそばにいれば力も湧いてくる 土産は10万本のたばこと 流行りのドレスを10着ばかり 車も1台 お前の夢見る溶岩の家と 心ばかりの花束 そん>>続きを読む

火の娘たち(2023年製作の映画)

3.5

制作予定のミュージカル映画のための習作らしいのでまだなんとも こんなの言ったらよくないのかもだけどかなりアネットみたいだった(CGバリバリの迫力いっぱいの背景をバックに朗々と歌うミュージカル) 字幕は>>続きを読む

ヴィタリナ(2019年製作の映画)

3.7

コンディションもあって前半のほとんどを意識を飛ばして観てしまった 聞いてはいたけれど本当にずっと画面が暗い そして光量が圧倒的に少ない分その闇の中に浮かぶ瞳、輪郭、爪の白さ、そして異様に鮮明に聞こえる>>続きを読む

からっ風野郎(1960年製作の映画)

3.1

駆け込み若尾文子マラソン⑧ 共感性羞恥で殺してくれ〜となるくらいつらかった、三島由紀夫という人間が思い描く理想の姿に沿って演技を重ねれば重ねるほどその肉体の貧相さ(やたらサービスショットかのように見せ>>続きを読む

幸運を!(1935年製作の映画)

4.6

これも超〜〜好きだった ギトリが初めて映画用に書いた脚本にして、当時新婚ほやほやのジャクリーヌ・ドリュバックと映画撮影と銘打ってクルー付きで新婚旅行してるだけじゃ?という多幸感溢れる「新婚旅行(仮)」>>続きを読む

トア(1949年製作の映画)

4.5

ギトリ特集いろいろ観たけどトアと幸運を!がいちばん癖(へき)を感じられて好きだった 売れっ子劇作家兼俳優のギトリが気の強い年下の元恋人との別れ話をもとに新作舞台を書いたらその初公演に元恋人が乗りこん>>続きを読む

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.2

あるショットを眺めているうちにいつの間にか目を閉じていて、意識が半分遠のいた状態で瞼を開くとまだ同じショットの中にいるときの気持ちよさ、筆舌に尽くしがたい 簡易版サタンタンゴの向きもありつつ、世界一巨>>続きを読む

女系家族(1963年製作の映画)

3.6

駆け込み若尾文子マラソン⑦ あらすじから犬神家の一族ぽいかと思って観たら思った以上に犬神家の一族だった(ただし人は死なない) 一家をいいように出し抜こうとするタヌキジジイな番頭・中村鴈治郎や手ぐすね引>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

3.6

これがぜんぶの元ネタか〜と楽しく観た 150分ずっと天一のこってりくらい濃ゆくて、有名なシーンも続々続くのが良くも悪くも食傷気味になったけど、金田一が宿泊する那須湖畔の古い旅館(一応ホテルと名がついて>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

3.4

思ったより覚えてなかった あまりにもハルヒ(に代表されるキャラクター群)すぎる、と思ってしまうけど逆だな 当時あまり意識してなかったけどいいなと思うのぜんぶ松野のとこだった 2人きりの説明会でこいつは>>続きを読む

これで三度目(1952年製作の映画)

4.0

相も変わらず何を見せられてんだ!?の気持ちに迷いこみつつ根底に流れる恋愛哲学がやっぱりグッド…そしてあっけらかんとした強引な奇跡よ!2回妻を寝取られて2回離婚してる冴えない宝石商の3人目の妻(「君はわ>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

4.9

良すぎて3回連続で観てしまったけどまだ観たい、今月末で配信終わるというのに 溝口、綺麗だなとか意外と「女」を撮りまくるな、と少し距離を置いて理解した気になってたけど本作では急にピタリと通じ合いちいさな>>続きを読む

とらんぷ譚(1936年製作の映画)

3.7

序盤のいつものスタッフ紹介のお洒落さ(プロデューサーをあんな素敵に紹介する監督他にあるかしら)、そして怒涛のキノコ事件(11体の死体なんて見たことがなければ想像もつくまい、と一人ひとりを映してく)でう>>続きを読む

雁の寺(1962年製作の映画)

3.1

駆け込み若尾文子マラソン⑤ 耐えるようにして観た 中村鴈治郎がお坊さんだったらまだ楽しく観れたかも エロ坊主のリアルな嫌さと若坊主自然の不気味さに終始ぐったり ラストなんやねん

女は二度生まれる(1961年製作の映画)

4.3

駆け込み若尾文子マラソン④ この作品がなぜこんなにも胸を揺さぶるのかうまく説明できない、できないけどはちゃめちゃ好きだということだけわかる 若尾文子の女としての魅力が生搾りで絶えず供給され続けて失神し>>続きを読む

季節のはざまで デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.4

こんなのフェリーニやないかい(涙)って思いながらぐすぐすと観ていってラストの完璧さに無事落涙 シュミットは一族が経営する歴史ある四つ星ホテルを住居として成長期を過ごしていたそうで、この作品はまさにその>>続きを読む

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.0

スクリーンにかかるオープニングクレジットと梱包材の降り注ぐエンドクレジットのミニマルな完璧さ 過去と現在が同時に存在する、なんてミラクルを魔法の域に留めたまま(学芸会や時代劇の白けを完璧に排した状態で>>続きを読む

デジレ(1937年製作の映画)

3.9

濱口竜介がベスト言うのも納得 とにかく喋る、そして欲望が人物を動かし関係を混乱させ最後に途方もない奇跡があっけらかんとすべての欲望を飲み込み天に返す、その晴れ晴れとした読後感 ギトリと女主人(この人は>>続きを読む

あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

4.3

3本目のギトリ、やっぱりこの人の作品は映画を観に行くというより稀代のモテ男の美技に酔いに行く、に近い それぞれの時代にヒロインとして登場する妻たちはみんな美しいけど本作で30近く歳下の恋人として登場す>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

3.2

駆け込み若尾文子マラソン③ これはあんまり面白くなかった、谷崎の原作を読んだこともないけどあっちこっちの迷宮入りを辛抱強く追わされる感覚が強くてドライブ感に欠ける 女二人の強烈なパッションに終始たじた>>続きを読む

赤い天使(1966年製作の映画)

3.9

駆け込み若尾文子マラソン② やっぱり群衆を描かせたらピカイチの増村 野戦病院の仕事ぶり、負傷兵を山盛り乗せたトラックが到着したらまず死体(あるいは準「死体」)とそれ以外とに分類し、それ以外の方は片っ端>>続きを読む

清作の妻(1965年製作の映画)

4.0

U-NEXT配信終了前の駆け込み若尾文子マラソン① 陰の増村作品の中だといちばん好きかも ホス狂の話やアルコール依存患者家族の話ってつい読み耽っちゃうけど愛と依存が複雑骨折してる関係っていつでも他人事>>続きを読む

片袖の魚(2021年製作の映画)

4.0

エセナおおたでの特別上映会(イシヅカユウさんのシネマトークつき)にて鑑賞 公開から3年が経つ作品だけど、今日あの場所で集まった市民の皆さんと観ることができて、イシヅカユウさんの凛とした・と同時にチャー>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

4.6

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベントにて 5年ぶりに観てやっぱり何度でもびっくりする 良さに ていうかミシェルシモンだったんだ、ミシェルシモンを認知してから観るとさらに味>>続きを読む

アセラ、または魔女の踊り(1972年製作の映画)

3.5

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

踊ってるところが延々続くところで無事入眠 たしかに布地みたいな部位がふわっと膨らむのバレエっぽい
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タコの性生活(1967年製作の映画)

3.6

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

ウルトラマンとかファンタスティックプラネットみたいなきゅるんきゅるんのSF風電子音楽がいい タコの
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吸血コウモリ(1945年製作の映画)

3.6

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

吸血鬼ノスフェラトゥの引用やデュークエリントンのおどろおどろしい音楽のお茶目さとアンバランスに吸血
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タツノオトシゴ(1934年製作の映画)

3.8

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

観た中では圧倒的に観やすくかわいくポップでワンダーがあって楽しかった 重力の哀れなる犠牲者であるわ
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ウニ(1958年製作の映画)

3.5

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

モノクロ無声はさすがにぽやぽや眠くなるもののウニの殻の森を拡大して映して建築映画と言い切るのはかっ
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

20分の映画を観るために劇場に座るという体験の面白さ 観る前の自分と観た後の自分との距離が近い分、残された爪痕を生々しく感じられる コラージュの静止画に音声が被さるばかりの中に挟まるほんの数カットの美>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.0

社交のために観た(お世話になった広島弁のヤクザみたいな支店長と以前仁義なき戦い面白いですね〜って話したときにならこれも観といたらええよと薦められてたので支店長の送別会に向けて観ないとになった) 仁義な>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.8

さすがに面白かった、ヘレディタリーきっかけで観たけど派手さのないじわじわ滲みよる心理的な嫌さや悪夢描写で魅せてくる古典的な感じからこっちの方がずっと好み うきうき弾けるような新妻のミアファローは顔もフ>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.6

ちゃんと怖かった 首なし死体や生首って怖い、幽霊って怖い、部屋の隅に死んだひとが立ってたら怖い、裸の大人って怖い、知らない呪文って怖い、火が燃え上がったら怖い、などわりと普遍的な恐怖しか出てこないのも>>続きを読む

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