原題の「キメラ」とは幻想、架空の夢という意味。「幸福なラザロ」を観て感銘を受けたジョシュオコナーは監督に直談判して本作への出演を決めたという。考古学愛好家でダウジングの能力を持つイギリス人アーサー(オ>>続きを読む
1969年の人類初の月面着陸はアメリカ政府の捏造で、世界に流れた映像はキューブリックが撮ったフェイク動画だという都市伝説をひとひねりした人間ドラマ。面白かった。打ち上げの責任者をチャニングテイタム、敏>>続きを読む
大家族で育つコットは寡黙な少女。農夫の父親はギャンブル好きのろくでなしで貧しい暮らしを強いられている。母親のお産が近づいたある日コットはひと夏の間、親戚の夫婦に預けられることになり…という物語。配信が>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
遥か昔のことですっかり忘れていたが、小学校から中学くらいまでよく漫画を模写したり、オリジナルを描いたりしていたことを不意に思い出して懐かしくなった。不登校の京本を藤野がどんどん外の世界へ連れ出すくだり>>続きを読む
1900年頃のオーストリアアルプス、孤児の少年エッガーは渓谷に住む義理の叔父の農場で暮らすことになり…という物語。度重なる苦難に見舞われながらも懸命に生き延びる男の一生を丁寧に描く。世界的ベストセラー>>続きを読む
タイトルは「年齢差のあるカップル」の意。36歳の人妻が13歳の男児と関係を持ち、獄中で女児を出産。出所後二人は結婚、さらに男女の双子を授かる。夫が36歳になった時、映画化の話が持ち上がり主演女優が二人>>続きを読む
ブルジョワの初老の男性が年若い美女(タイプの違う女優の二人一役)に翻弄される物語。面白かったし笑った。欲望や恋愛の対象はその都度取り換え可能で、いくら本人が「この人しかいない」と執着しても結局は誰でも>>続きを読む
原題は「居残り組」みたいなニュアンスだろうか。「サイドウェイ」もしみじみといい映画だったような記憶があるが、本作もよかった。皮肉屋で学生に厳しく友達もいない教師と成績はいいが問題児の学生がクリスマス休>>続きを読む
石油精製所のある汚染地域で異常な熱波のために母親を亡くしたソチは、環境ドキュメンタリーの制作に関わるショーンとともに、大規模な作戦を実行できる仲間を集めることを決意。掘削業者に居留地を侵略されたネイテ>>続きを読む
「1983年、3冊の作品集を残しわずか36歳で夭逝した写真家牛腸茂雄。…ドキュメンタリー映画の新たな地平を切り拓いた佐藤真監督が牛腸ゆかりの地に立ち、残された草稿や手紙と写真、肉声をコラージュし写真家>>続きを読む
2018年の全米オープンで憧れのセレーナウィリアムズを破り、涙ながらに「勝ってごめんなさい」と優勝スピーチをした大坂なおみの姿は未だ記憶に新しい。この試合で物議を醸したセレーナのコーチのサイン疑惑をヒ>>続きを読む
前作の製作前に本作の構想はできていて、シャーリーズセロンは「フュリオサ」を先に作れないのかと監督に話したという。結果すでに40代後半のセロンを若返らせる訳にもいかずキャストが変わってしまったのだが、身>>続きを読む
ジャックリヴェット、ヴェンダース、ジャームッシュらのアシスタントを務めていたクレールドゥニ監督の伝説的作品。1999年。アフリカのジブチに駐留していた外国人部隊の曹長が新兵の青年に歪んだ感情を抱き…と>>続きを読む
1992年公開のドキュメンタリー作品。新潟水俣病の舞台となった阿賀野川流域で暮らす人々の日常を描く。冒頭、降りしきる雨のなか川沿いの田んぼで稲を収穫する老夫婦。おばあさんの腰は深く曲がり歩くことも辛そ>>続きを読む
本作はドイツ語映画であり、アウシュヴィッツ強制収容所のルドルフヘス所長の家族に焦点を当てている。ヘス所長は1940~43年にアウシュヴィッツを運営し、その間推定110万人が殺害されたという。その怖すぎ>>続きを読む
ジョンレノンがその結婚生活でオノヨーコから離れていた18か月間の出来事を描くドキュメンタリー。どれも初めて聞く話でとても面白かった。1973年、夫婦関係が悪化していた二人はヨーコの提案でマネージャーの>>続きを読む
「学校で盗難事件が起き、正義感あふれる新任教師は犯人として疑われた生徒のためにある行動をとる。ところが、それが予期せぬ波紋となり事態は急速に悪化していく…」という物語。面白かった。紛れもなく「現代社会>>続きを読む
ニナメンケス1991年作。「マグダレーナ…」よりはマシだったが、これも長回しがひどく苦痛だった。木が燃えるシーンなどポスターやスチルとして見る分にはその美しさにハっとするのだが、これが劇中で5分以上続>>続きを読む
ニナメンケス1986年作。客と絡む時の娼婦アイダの虚ろな表情が印象的で、確かにステレオタイプなラブシーンにはなっていないが、だからと言って女性がモノ扱いされていないように見えるかと言えば、そうでもない>>続きを読む
記録。「この映画はメンケスが行ってきた講義を基にしたもので、男性が好奇心や欲望を持って女性を見るという、ほとんどの映画で見られる視覚演出が映画という枠組みを超えて、女性を客体つまり『モノ』として見るこ>>続きを読む
寄宿制女子学校の生徒たちが岩山ハンギングロックへ訪れた際に起こった3人の生徒と1人の女教師の失踪事件を描く。すごく久しぶりに鑑賞。シーンの記憶はほぼ無かったが、感動の度合いは記憶どおりでホッとした。実>>続きを読む
ジャックリヴェット1995年作品。不良少女ニノン、5年間の昏睡状態から目覚めたルイーズ、本当の母親を探しているイダ。3人のヒロインが夏のパリを舞台に軽やかに歌い踊るミュージカルコメディ。ちょっと寝たけ>>続きを読む
トニーレオンとワンイーボーのスパイノワール。ワンイーボー(中国アイドル)をよく知らなかったのでFilmarksの高評価を疑わず鑑賞。結果…。韓流スターには気をつけていたのだが。ノーランみたいな時系列シ>>続きを読む
ちょっとアホみたいな邦題だけど面白かった。18歳である舞台に抜擢されその後のキャリアを手に入れた女優が、20年後別の役でリメイクのオファーを受けるが…という物語。何と言っても女優(ジュリエットビノシュ>>続きを読む
19世紀のイタリアボローニャでユダヤ人家庭の6歳の少年が突然、異端審問所警察によって連れ去られカトリック教徒として育てられる、という実話ベースの物語。面白かった。宗教的刷り込みという意味で、統一協会の>>続きを読む
ジャックリヴェット1984年の作品。「女優のシャルロット(ジェラルディンチャップリン)とエミリー(ジェーンバーキン)はある戯曲を改編して上演していた。ある日戯曲の作者クレマンに呼ばれた彼女たちは、彼の>>続きを読む
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ラストだけ意味不明だけど、それ以外は面白かった。もともと音楽につける映像としてスタートしているからか、どうしても語りたい物語があった訳ではなさそうだ。主役の男性はスタッフ(ドライバー)らしい。以下監督>>続きを読む
サンドラブロックの「消えない罪」を監督したノラフィングシャイト監督の長編デビュー作品。2019年。幼少期のトラウマからすぐに暴力的になってしまい、里親や保護施設をたらい回しになる9歳の女の子の物語。ド>>続きを読む
ポルトガルの映画監督ペドロコスタの長編第一作。1989年。全体を不安や恐れのムードが支配する一方で、モノクロの画面が超絶美しい。「狩人の夜」や「西鶴一代女」などを彷彿とさせ、意味不明な部分もありながら>>続きを読む
歳若い夫婦の不器用だがまっすぐで情熱的な愛を目の当たりにして、長年連れ添った夫との関係を見直すことになる中年女性の物語。面白かった。1977年作。女性二人の友情を描いているが、仮にこれが男性二人だった>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
何度目かの鑑賞。観終わってもなお心があの村にとどまっているかのような感覚。圧倒的なリアリズムが、全て自分の眼前で起こっていることの(或いは日本人のDNAの記憶が呼び起こされる?)ように思わせるのだと思>>続きを読む
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死別によって奪われ、それを取り戻すかのように行われる両親との会話が切ない。しかもそこに同性愛が絡んでくるから、せっかく与えられた機会が楽しいだけの内容にはならない。特に父親と本音で交わされる会話には泣>>続きを読む
面白かった。終始ゲラゲラ笑いながら観ていたがまさか泣かされるとは。「架空OL日記」の時もそうだったけど坂井真紀は完全に気配消してて、全く分からなかった。
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ラスト、ユッソンがピエールに真実をばらすのを何故セブリーヌは止めなかったのか。ピエールに対する贖罪の気持ちがあったからなのだろうか。しかしそもそもセブリーヌには「良心の呵責」という概念がないのだろうか>>続きを読む
プリシラプレスリー本人の回顧録「私のエルヴィス」を基に、彼女がエルヴィスと初めて出会ってから大邸宅グレースランドでともに暮らすまでの約10年間が描かれる。歳の差で言うと10歳であるが、当時まだあどけな>>続きを読む
「若きデンマーク人の牧師ルーカスが司教からの命を受けて植民地アイスランドへの布教の旅に出る。彼が成し遂げるべき最も重要な任務は辺境の村に教会を建てること」だった…という物語。終盤までは面白く鑑賞できた>>続きを読む