ベティー

死ぬまでにしたい10のことのベティーのレビュー・感想・評価

死ぬまでにしたい10のこと(2003年製作の映画)
3.5
冒頭 This is you で始まる、原題「MY LIFE without ME」。

末期がんで余命2ヶ月の告知を受けた23才の女性。彼女は死ぬまでの残りのTO DO リストを作り、実行していく。

「THINGS TO DO BEFORE I DIE」私が死ぬまえにしておくこと。邦題はPR上軽い雰囲気をだしたかったのかな。

がんの話だが闘病ものではなく、ストレートに泣かせる作りでもない。そもそも彼女は家族含め周りのだれにも、余命わずかだということを伝えない。

現実的にはそんなこと隠し通せるわけはないし、末期ガンの苦痛とか、痛み止めにモルヒネ使ったりすると聞くし、だいたい鬱状態になるのが普通らしいし、、とにかくそういうリアリティーのある話ではなく。

だれもがいずれ経験する、死ぬっていうことの、孤独感に尽きる感じ。

彼女と接する人はみんなどうでもいい自分の話をする。普通ならなんでもないシーンなんだけど、彼女にとっては、もはやあと2ヶ月ですぐになくなってしまう過去の世界の話題。自分はこの世界からいなくなるっていう孤独感、喪失感。それがラストのシーンにまでずっと付きまとってて、その感覚がすごく、くる。

劇的シーンなんてほとんどないし、主役もあんまり共感されるようなタイプじゃないけど、そこがまたThis is youというわけではないかと。主人公の語りの、本来me っていうところが一部、you ってなっているんだけど。平凡な、普通の人のあなたが、こんな風にある日死を目の当たりにするという現実。

がん=家族愛みたいな構図でないのはむしろ好き。いや家族愛もあるんだけど。人間1か0かの二進数みたいに単純じゃない。

しかし、主役のサラ・ポーリーより隣の家のレオノール・ワトリングとか美容師の人とか、まわりが可愛すぎるんだが。脇役みんな味がある。とくにダイエット依存症の人は好き。
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