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E.T. 20周年アニバーサリー特別版のmurajunのレビュー・感想・評価

5.0
2014年ラストは、最初で最後の経験となった新宿ミラノ座での最終上映「E.T.」をみてきました。
さすが当劇場最後の上映ということもあり、1000席もある空間にはびっちり人が埋めつくされ、通路に座る人、端や後ろで立ち見する人で溢れかえり、みんなカメラを構えて、その最後のミラノ座の上映前を惜しむようにシャッター音があちこちで鳴り響いてました。
そして、「E.T.」というタイトルから拍手で始まった上映。老若男女1200人以上はいるであろう空間は一瞬で暗闇に閉じこめられて森の中のシーンから、観たことある人にとってはまたあの時の興奮を、始めて観る小さい子どもは何が始まるのか、どの世代もドキドキしながら見届けたでしょう。
小さいころに観て少しトラウマが植え付けられ、自転車で空を飛ぶというファンタジーに憧れももった「E.T.」は、始めて映画監督・スピルバーグという名前を覚えたきっかけの作品でもあります。
目の前に座っていた女の子もまた、主人公のエリオットのようにE.T.との初めての出会いに戸惑いながらも徐々にまだ終わってほしくないような感覚がうまれたことでしょう。そして、隣に座っていたお父さんお母さん含め、観たことある人々にとっては、エリオットという、誰しもが通過した子供ごころ満載の純粋な表現力に、涙を流し、鼻を啜る音がまたあちこちで聞こえてきました。
感情をさらにのせてくれるジョンウィリアムズの素晴らしい映画音楽は、これでもかと身体をシビラせるほどゾクゾクする感覚は、やっぱり不朽の名作に相応しい、ミラノ座最後に相応しいものではなかったでしょうか。
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