ShinMakita

薔薇の標的のShinMakitaのレビュー・感想・評価

薔薇の標的(1972年製作の映画)
2.0
日野昭…オリンピックの射撃選手であった彼は、ライバルが暴発事故で亡くなった際に殺人容疑をかけられライセンスを剥奪された。以来、銃だけが生き甲斐だった日野は生ける屍と化してしまったが、そんな彼の前にマイク立花という男が現れる。立花は日野にライフルと拳銃を渡し、山の中で存分に訓練するよう指示するのだった。そして…冷徹な殺人機械へと変身した日野は幾度も狙撃を成功させていくが、香港での仕事の際、標的のカメラマンに寄り添っていた可憐な女・玲玲を目に止めてから、彼の胸に人間らしい感情が芽生え始める……



「薔薇の標的」



加山雄三のモミアゲに全ての意識を持ってかれそうになりながら必死に視聴。ついに出ましたDVDですよ。

殺し屋映画の定番というか、被害者(標的の恋人)が、相手が加害者(殺し屋)と知らず信頼を寄せていくという展開。そしてヒロインを守るため、殺し屋は組織に反旗を翻していく…という定番パターンです。凄く良く出来ているなぁと思うのは、冒頭から常に両者の動線が交差している点。空港でも香港でも、まだ互いの存在を知らないうちから同じ場所を移動するのでスムーズに2人のドラマが頭で整理できるのです。彼らが合流してから、水入らずで過ごす時間のセリフがいちいち渋く、特に機関車の解体を眺めるシーンが秀逸。素人目でも銃描写がリアルなのは伝わるし、特に野村=トビー門口の追い剥ぎスピンにはビクッてなっちゃった。

シュールでもカルトでもなく、ごく真っ当な、なんなら文学的ですらある殺し屋映画でございました。加山雄三の英語もまあまあだけど、トビーさんの英語はなかなかでしたね。日本語のセリフより演技上手いんじゃね?
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