近本光司

新道 後篇良太の巻の近本光司のレビュー・感想・評価

新道 後篇良太の巻(1936年製作の映画)
3.0
恋人の急逝に打ちひしがれる田中絹代のお腹には佐野周二の子が宿っている。このメロドラマのど真ん中をいく展開にちょっと力が抜けてしまうのだが、価値観がまるきり異なる斉藤達雄と田中絹代の父娘が手紙の交換を通じて胸中を明かしあう下りはなんともすばらしい。

斉藤達雄と上原謙のあいだで交わされる会話。「あけみさんをぼくにいただけないでしょうか。」「き、きみがっ!? きみがあけみを!?」「まるで足元から鳥が立つような急なお話ですみません。」