近本光司さんの映画レビュー・感想・評価

近本光司

近本光司

映画(780)
ドラマ(11)
アニメ(0)

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

2.0

運動神経が鈍すぎる。成瀬の『驟雨』を観たばかりということもあって、あの少年と仔猫を除いては、画面に映る一切がもったりと緩慢な動きをしていて正視に堪えなかった。無邪気にロメールの真似っこをして『ほとりの>>続きを読む

驟雨(1956年製作の映画)

4.0

成瀬らしさが凝縮された逸品。生活のひとつひとつの機微が短いショットの連続で軽やかに活写されていくことで、夫婦として過ごした時間の厚みが立ち上がってくる。湯呑に茶を注いで、割り箸を割って、立ち上がって、>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

1.5

何百何千という人間が、何百何千という時間をかけてこの作品をつくったという事実に、いいようのない虚しさが胸を衝いた。その不運も逆から見れば幸運だったのかなあ。

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

4.0

かつての海岸線を示す川に架けられた橋に、「洲崎パラダイス」というネオンの文字が掲出された大きな門が聳え立つ。日夜その門を通っていくのは、遊郭で身を売る女たちであり、その女たちを銭で買う男たちであり、東>>続きを読む

津軽のカマリ(2018年製作の映画)

2.5

三味線を支える力さえも失ったあとの最後の公演

山歌(2022年製作の映画)

1.5

俗世から隔絶された山の生活はどんなものか。いかにして山を下りるという決断はなされたのか。これって、この映画でいちばん大事なところじゃないのかなあ。なんだかなあ!

夜を走る(2021年製作の映画)

3.5

映画の最後のショットはほんとうに難しい。もうひとりの自分が父親として子どもと戯れる姿を見て、ベランダで静かに涙する場面で終わってもよかったし(『ペパーミント・キャンディー』)、宗教団体の壁に残る銃痕の>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.0

よい気分はいかにして生まれうるか。隣の席に上野千鶴子が座っていた。ぜんぜん笑ってなかった。

7月の物語(2017年製作の映画)

3.0

そのむかし Cité Universitaire のノルウェー館に住んでいた友人を訪ねて、この映画に映っていたのとおなじ2階の端っこのテラスでパスタを食べて、ワインを飲んだ。そのときもだれかがギターを>>続きを読む

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

4.0

ひとは無意味に耐えられない。生命を容赦なく奪っていくペストの蔓延を前に、その突如として現れた災厄に意味を宛てがおうとする。この作品が呈示するペストと呼ばれる死病は吸血鬼によってもたらされたという物語に>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.5

Wanda is wandering around and wondering if her wounded soul will be saved one day

静かなる男(1952年製作の映画)

3.0

いったい何を期待してわざわざフォードを観に行っているのかという感じだが、いかに著名な後期高齢者が男性的な映画ではないという読みを主張しようとも、わたしにはこの映画はかなり男性的かつ暴力的に見えてあまり>>続きを読む

砂漠の流れ者(1970年製作の映画)

3.5

砂漠の荒くれ者たちが徒党を組んで派手派手しい掠奪を仕掛けたりするよりも、偶然発見した水脈をもとに金策に走るほうがよほどアウトローで、現実みがあって、格好いい。土地の占有と町の興隆をめぐる考察。いつか「>>続きを読む

ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カット(1969年製作の映画)

3.5

サム・ペキンパーがしばしば完璧主義者と評される所以がよくわかる。終盤に待ち受ける高低差のある砦で繰り広げられる血みどろの銃撃戦は、目まぐるしくカットが切り替わり、いまやペキンパーの作家印としてあまりに>>続きを読む

プリースト判事(1934年製作の映画)

3.5

冒頭から軽妙なショットと言い回しの連続で、次第に多幸感のような情感が胸もとに溢れてくる。裁判ドラマの緊張の転覆を試みる歌や踊り。あの黒人たちの造詣は正当化はされうるか。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.0

まるで街全体にマリファナの匂いが立ち罩め、だれもがハイになっているような、そんな1970年代初頭のロサンジェルスの気分にノれるか、ノれないか。

ご両親まで総動員されているハイムの面々、まことにご苦労
>>続きを読む

阿賀に生きる(1992年製作の映画)

4.0

阿賀の老婆が、家族団欒の居間でひとりだけペヤングソース焼きそばを食べている。フィクションの設定ならば、これはあまりに強すぎるシンボルで、ナラティブの秩序を掻き乱してしまう。しかしわたしたちが生きる現実>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

あるとき友人から、彼が書いた小説のデータが送られてきた。わたしはしばらくそれを読めずにいたのだが、このあいだ仕事終わりにセブンイレブンで両面プリントした39頁を携えて彼の働く店に出むいた。彼はカウンタ>>続きを読む

ゆるキャン△(2022年製作の映画)

1.5

アニメシリーズも未見だが、なんとなくノリで観にいってみた。シャチホコ出版、名前がイカれすぎてて良い。

冬薔薇(2022年製作の映画)

3.5

舞台となった港町が横浜から遠くない場所に位置していることは窺い知れる。しかしその場所を安易に特定できるような情報は徹底して画面から排除されていた。ひょっとして作家は土地をめぐる観念の抽象度を下げないよ>>続きを読む

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