ぱねぇ

夏の庭 The Friendsのぱねぇのレビュー・感想・評価

夏の庭 The Friends(1994年製作の映画)
4.1
小学6年生の少年・木山とその友達・河辺は、「デブ」とあだ名を付けられている同級生・山下が、3日も少年サッカーに顔を出さなかったことに対し、気がかりで仕方なかった。
しかし、ついに山下は姿を現し、亡くなった祖母のお葬式に参列していたことを友達(木山と河辺)に話し始める。
葬儀の話を聞いた木山と河辺は、「人間の死」に対して興味を持ち始め、近所に住む独り身のお爺さんを観察し、お爺さんの死を待ち、自分たちが第一発見者になろう、と提案する。
そして夏休みが始まり、彼らは近所に住むお爺さんを観察し始めるが....。

すごく丁寧な映画。
カメラワーク、音声、脚本、物語の構成など、全てにおいて雑な部分がない。
「死」というストレートなテーマを、無垢な少年たちが追求し、その過程であらゆる人間の人生を垣間見ることになる。
子どもの演出も素晴らしく、特に父を亡くしたメガネの少年が非常に良かった。

個人的な意見だが、こういう普遍的かつリアルで感動できる映画がいまの日本には少なくなった(正確にはあまり評価されてない)気がする。殺人、汚職、ヤクザ、レイプなど、裏の世界を描いている作品がアカデミー賞などに名を連ねていて、なんだか陰鬱な気分になる。
まあ、とは言いつつそのような映画も好きなんですけどね笑
ぱねぇ

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