ChandlerBing

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまでのChandlerBingのレビュー・感想・評価

4.3
この映画は50年代を舞台にしているとはいえ、非常に現実的でとにかく痛いところを突いてくる。
理想的な生き方を追い求めつつ結局怖気付いて言い訳して現実的で安定した選択をしてしまうフランクの気持ちもすごく理解できるし、現実を見るしかなくなったエイプリルの失望も理解できる。

ただ残酷な話だが、自分達はもっといい人生を歩めるはずだと思っていても、その理想的な生き方は単なる絵空事で、今の現実が等身大の自分を表していることにそもそも2人は気がついていなかった。
ニューヨークタイムズの評論で2人をdreamer without a dream と表現していたけど、本気で叶えたい夢なんかないのに夢だけ見ている状態ってわかる人にはすごくわかるものだと思う。
それを受け入れて現実的な選択をするのか、夢が何か探し求めるかの岐路にある人にとっては痛烈な作品だったと思う。