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マリー・アントワネットのmaiのレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
3.2
まぁ、雰囲気映画的な要素が強いのかなと。
取り敢えず画面見てるだけで、女の子だったら誰しもワクワクすると思います。笑
華やかなドレス、色鮮やかなお菓子…どれも一度は憧れるものたちばかり。またちょっとアンティークっぽい画面の加工もたまりません。
あと引きで撮った映像が多いのもいいです。マリーアントワネットに感情移入することなく、最初から最後まで一傍観者として映画を鑑賞できます。
マリーアントワネットもイメージしてた人よりも可愛らしい感じで、人形みたい。

マリーアントワネットが贅沢三昧を始める前までのシーンは「お世継ぎは?」がずーっと続いてマリーの心情や振る舞いが変化していくだけで少し退屈だったけれど、それからのマリーアントワネットの吹っ切れ方はいっそ清々しいくらい。スウェーデンの伯爵とのアイコンタクトは凄く妖艶でした。後半は画面の美しさとマリーアントワネットが醸し出す儚さが見事にマッチしてました。

何となく、逃亡した後まで(つまり最後の最後まで)を描いてもいいのではないかなと思ったのですが、多分この宮殿とマリーアントワネットとの関係を描くために映画を作ったのだろうし、マリーアントワネットにとってもこのきらびやかな宮殿が人生の大半で、最後の逃亡から処刑に至るまでの流れなんてただの余生に過ぎなかったのかも(むしろ取るに足りないことなのかも)と思うと、描かなくて正解な気もします。あくまで歴史的観点はあまり考慮にいれず、可愛らしいマリーアントワネットがきらびやかな宮殿で暮らすうちにどんどん変わっていく姿を描ききった作品としてみたほうがいいのかなと。
映画史に残るような大作ではないけれど、とても素敵な映画でした。
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