アンダーシャフト

パトリオット・ゲームのアンダーシャフトのネタバレレビュー・内容・結末

パトリオット・ゲーム(1992年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

はるか昔、劇場で観たのを再鑑賞。

トム·クランシー原作のジャック·ライアンシリーズの中で、一番中途半端な出来なのが残念な一本。

CIAを辞し大学教授となった主人公のジャック·ライアン。
講演を兼ねてロンドンへの家族旅行中、IRAの一派であるテロリストの一味が英国王室の関係者が乗った車を襲撃するところに偶然遭遇し、襲われていた関係者の命を救う。その際、テロリスト1名を射殺するが、そこで逮捕された兄に逆恨みされ…と話は進んでいきます。

この後、裁判で有罪となった兄のショーン(ショーン·ビーン)は、移送途中に仲間の手助けで護送車から脱出。ライアンとその家族の命を執拗に狙ってくるのですが、この時点でもはや題名の「愛国者のゲーム」というより私怨の応酬になってます。
妻と娘を死の間際に追い詰めたテロリストのやり口に頭にきたライアンは、CIAに復帰し、北アフリカの活動拠点を暴き出して特殊部隊で殲滅。
生き残ったショーンは、仲間を連れてホームパーティー中のライアン宅を急襲。
クライマックスでは、囮になってボートで逃げるライアンをショーンが猛追。しかもこの時、本来のターゲットだったホームズ卿(ライアン宅のホームパーティーに参加してた英国王室の関係者)がその船にいないことに気づいた仲間が追うのを止めるよう諫めると、その仲間2人を撃ち殺してまでライアンを追いかけます。
そして最後は2人の殴り合い…って、どう見ても個人的な遺恨のぶつけ合い。題名の「愛国者のゲーム」のラストがこれ?この話、敵役がテロリストでなくても良かったのではと思えてしまう。

確かに、一人の命が失われることの悲しみや辛さの積み重ねが国家や思想や宗教への恨みへと変貌することはあると思います。でも、CIAアナリストとIRA分派のテロリストっていう設定でこのストーリーではあまりに話が小さすぎない?

メリハリのある展開で飽きずには観れますが、国際謀略ものを材にした割に、駆け引き、謀略、相手心理の読み合いの場面が少なく、全体的に緊張感が薄かった感は否めません。(ハリソン·フォードもイマイチ役に合ってない気がしてるし…)
同じ原作者の「レッドオクトーバーを追え」は割りと好きな方なんですけど…