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シュウシュウの季節のsamsaaraneのレビュー・感想・評価

シュウシュウの季節(1998年製作の映画)
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中国語の題名は《天浴》。
文秀が、老金が作ってくれた簡単で粗末な地面の窪みの中で、青空の下で沐浴するシーンから。

これもお母さんに観させてもらったんだけど、かなり重たい。

観た映画の内容って大体右から左に流れていっちゃうんだけど、これは未だにはっきり映像で覚えてる。
当時は何で小学生の私にこれを…としか思わなかったし、なんなら今もそう思う。

大したことは何も成し遂げてないけど、人並みの経験だけ積んだ今思えば文秀が自分のことをすごく汚く思っちゃうのが痛いほどわかる。
自尊心を保つために、よりによって自分のことを大切に思ってくれる数少ない人に強く当たってしまうのも。
家に帰る為だったとは言えど、最後らへんはもうどうでもよかったんだろうな。洗っても洗っても足りないよね。もう帰れないよね。

中国本土では、このような毛沢東政権を批判する映画は上映禁止。改めて中国政府と国民の間には見えない隔たりがあるなあと思う。“莫谈国事”なんて中学生の頃からの常識だったし。
でも、absolute power collapses absolutely だよ。時間の問題。
中国の人たちと中国の文化は大好きだから怖い。
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